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「生理不順=ピル?」東洋医学と西洋医学で異なる生理不順の考え方

みなさんは規則正しく生理が来てますか?かくいう私は学生の頃から生理不順で、いくつもの漢方専門店や病院、レディースクリニックに相談に行った経験があります。

漢方専門店では「気血両虚」とのことで、血も気も足りておらず、生理に使う血がないのだと言われました。一方、一般的なレディースクリニックを2~3件まわりましたが、とにかくピルを飲んだ方が良いとのこと。

生理が来なくなるほど血が足りていないのに、ピルを飲めば規則正しく生理が来る……一体足りなかった血はどこから来ているの?と何の知識もない当時の自分は疑問に思いました。

今回はそんな生理不順について、東洋医学と西洋医学の観点からみていきたいと思います。


西洋医学における生理不順の定義と治療法

西洋医学では、生理不順はホルモンバランスの乱れによって引き起こされる症状として捉えられます。主に、ストレスや生活習慣の乱れ、疾患(多嚢胞性卵巣症候群や甲状腺異常など)が原因とされています。

治療法としては、ホルモン補充療法(HRT)や低用量ピルが主流です。ピルは、体内のホルモンバランスを外部から調整し、月経周期を安定させる効果があります。

ピルの使用により規則的に月経が来るようになるため、不調が改善したように感じる場合がありますが、根本的な原因が解消されるわけではありません。

漢方で捉える「生理不順」と全身のバランス

一方、漢方医学では、生理不順は「全身の気血の巡りの乱れ」の結果と見なされます。単に子宮や卵巣だけの問題ではなく、全身のエネルギーバランスが崩れることで症状が現れると考えるのです。

例えば、「血虚」(血が不足している状態)や「気虚」(気が不足している状態)がある場合、生理が止まることがあります。また、「瘀血」(血流が滞っている状態)や「冷え」も原因となります。

漢方では、これらの根本原因を特定し、体全体のバランスを整えることで生理不順を改善するアプローチを取るのが一般的です。生理不順は単なる症状ではなく、体が発するサインとして捉えます。

ホルモン補充 vs 気血の巡りの調整…どちらが根本的解決?

西洋医学のホルモン補充療法は、短期的には生理不順の症状を緩和することができますが、根本的な原因にはアプローチしていません。

一方、東洋医学では、体の内外のバランスを整えることを目指し、気血の巡りを改善することで、生理不順の根本的な解決を目指します。

ただし、どちらが良いかは個々の体調や症状によるため、相談して選択することが大切です。

ピルが体に与える本当の影響とは?

ピルは「ホルモン補充」だけにとどまらない影響を与える可能性

ピルは、ホルモンを補充して月経を起こす作用がありますが、東洋医学的には「外部から無理に体を動かす」ことに近いと考えられます。

本来は不足している血や気を補充する必要があるのに、それを補わずに生理を強制的に起こすことは、体にさらなる負担をかける可能性があると考えられるのです。

気血両虚の体にピルがもたらす可能性のある影響

気血両虚の状態では、体に十分なエネルギーや血液がないため、ピルによって生理が起こることで、さらに体内の血やエネルギーを消耗してしまう恐れがあります。これにより、以下のような症状が悪化する可能性があります。

  • 慢性的な疲労感

  • めまいや立ちくらみ

  • 冷え性

  • 肌の乾燥や髪のパサつき

血虚を改善しないまま生理を起こすリスクとは?

血虚が改善されていない状態で無理に生理を起こすと、全身に供給されるべき血が不足し、内臓や筋肉、脳への血流が低下する可能性があります。

その結果、集中力の低下や免疫力の低下、さらには情緒不安定などが引き起こされることがあります。

ピル服用による東洋医学的な懸念と影響

血を消耗することで悪化する可能性のある不調

ピルの服用で生理が来ること自体は一見正常に見えますが、血虚が改善されない場合、体内の他の部位で必要とされる血が不足し、以下のような不調が生じる可能性があります。

  • 免疫機能の低下

  • 肌荒れや乾燥

  • 睡眠の質の低下

肝や腎への負担増加と情緒面の乱れ

漢方では、肝と腎が生理周期に深く関与しているとされます。ピルの長期使用により、肝への負担が増え、気分の不安定さやストレスに対する耐性が低下する可能性が考えられます。

さらに、腎は生命エネルギーの源とされており、腎の負担が増えると疲労感や老化の進行を感じやすくなることがあります。

症状は改善されても根本治療に至らない可能性

前述のとおり、ピルは一時的な症状緩和には役立つものの、根本的な原因を解消しないため、服用をやめると再び生理不順に戻るケースが多いです。そのため、症状が改善している間に、根本原因に対処する治療を並行して行うという方法があります。

ピルによる一時的な改善を活用しつつ、漢方や養生法を取り入れることで、より持続的な健康を目指すことができるでしょう。

ピルと漢方、どちらを選ぶべきか?

それぞれのメリットとデメリットを比較

ピルは即効性があり、生理不順の症状を短期間で改善できますが、ホルモンのバランスを人工的に調整するため、長期的な体への影響が懸念されます。

漢方は体全体のバランスを整え、根本的な原因から改善することができるため、長期的な視点で見たときに健康維持に寄与することが多いです。しかし、即効性はピルに比べて劣るため、急を要する場合には不便に感じることもあるでしょう。

西洋医学と漢方を併用する場合の注意点

西洋薬と漢方薬は、それぞれ異なる作用を持つため、併用することで予期しない影響を与えることがあります。西洋医学の薬と漢方を併用する場合は、相互作用を避けるため、必ず専門家に相談しましょう。

自分に合った治療法を選ぶために必要なこと

自分に合った治療法を選ぶためには、体質や症状、ライフスタイルを考慮し、医師や漢方専門家のアドバイスを受けることがなにより大切です。

治療法を選ぶ際には、自分の体の声を大切にしながら、短期的な効果だけでなく、長期的な健康維持を見据えた選択を視野に入れてみてくださいね。


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