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有色人種でないことは特権か。

「これがあなたの持っている特権です」

tiktokでのゲームが話題を呼んでいる。以下のカテゴリーにどれだけ自分の経験が当てはまるか、10本の指で検証するゲームだ。(かなり内容はシリアスなのでゲームというよりチェックだが)

質問事項は以下: (当てはまるものがあれば指を下に追って数える)

–人種差別的な言葉で呼ばれたことがある

– お店で訳もなく後を追われたことがある

– 同じ道を渡る人が道ですれ違わないをように通りを渡ったたり、行く方向を変えられたことがある

– エレベーターで一緒の人が自分の荷物を守るようにぎゅっとつかんだのをみたことがある

– エレベーターで先に乗っていた人、後から来た人があなたと同乗することを恐れて降りたことがある

– お店で高価なものが購入できないと判断されたことがある

– 警察にとめられ、恐怖を感じたことがある

– あなたが値する評価を与えられなかった経験がある

– 警察に訳もなく拘束されたことがある

– 人種が理由で中傷されたことがある

– 人種が理由でサービスを断れたことがある

– 自分の子供に警官に殺されないための術を教えたことがある

ここまでみていただいて数えた指の数が少なければあなたには有色人種でない特権があると考えられる。多くの「日本人」にとってはピンとこない質問が多かったのではないか。ただそういう方はラッキーな方で一度でもマイノリティーの体験をしたことがある人は経験したことがあるかもしれない。

これらは、自信でそうと認める(self-identified) あるいは他人がそうと認める有色人種(colored person)とみなされる人が日々直面している葛藤を明らかにする非常に重要な質問だ。このリアリティチェックのポイントは、「概念的な」人種差別を視覚化することにあり、そのメッセージを伝えるための非常に強力なツールだと思う。しかし、これらの項目が人種差別についてだけ当てはまると誤解される人もいるのではないかと案じている。

これらの質問は、性的指向、社会経済的地位、外見(障害があるか、魅力的かなど)、または彼らの宗教に基づいて差別された他のマイノリティにも当てはまる項目だ。前科のある人やドラッグユーザー/麻薬・アルコール中毒だったらどうだろう。同じような差別を受けるだろう。(日本ではまだドラッグは「個人の選択」として見られているが麻薬・アルコール中毒は「社会的問題」であり、その差別や中傷は未だ色濃く残る)

またこれらの項目では特に「あなたが社会の脅威とみなされるか」が質問のポイントとなるがアジア系であればまた違う質問事項が必要かもしれない。筆者一個人の体験からだがアジア人は「脅威」とみなされるよりも「小ばか」にされたことの方が多いように思われる。(ただしこれは就職などにおいてはアジア人も脅威とされるので別)

人種差別は確実に存在し、特権もまた然りだ。日本のような「同一主義」の国にいるとあまり気が付かないかもしれないし、自分の特権を「与えられて当然の権利」と勘違いしてしまう。しかしその一方で権利さえ与えられず、社会的保護から見放されてきた人たちがいることを忘れてはいけない。しかし、これを私たちの間に別の「見えない壁」を作る機会としてはいけない。むしろ、私たちの間に構築された特権と権力構造があり、私たち全員がシステムを再構築に参加し、今まで無視され続けた声のない人々に力を与える責任がある。エンパワーメントは権力の共有であって、権力を他のグループに移すことではない。彼らが持っている特権に基づいて他のグループを抑圧するのであれば、私たちは人種差別の別の形を生むだけだ。

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