何のためにリハビリしてる?の話
後輩からちょっと頼まれて、リハビリの介入を一緒にする機会があった。
いわゆるOJTです。
事前に後輩から身体機能的な話はいろいろ教えてくれて「んー、なるほどねー」と。
で、目標に関して聞いてみると
「トランスですかねー」
・・・・おや?
なんとも不安な曖昧さ。
で。
ご本人と対面して、お話を聞かせて頂くと、なるほど・・・・と。
諸事情あって、話がまとまりにくい方だったのです。
そのため、話は紆余曲折を経ましたが。
じっくり聞いてみると、どうやらご本人の気持ちの根っこの部分には、「歩けるようになりたい」という強い願いがありそうなことがわかってきて。
たぶん、その時点でセラピストと患者さんの心は行き違っちゃっていたのかもな、と感じたわけです。
中枢疾患で脳が障害を受けると、思考をまとめるのが難しくなることがあります。
先天的にそういう思考が苦手な脳をお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。
そういうときに。
会話がなかなか噛み合わないからと、セラピストが現実的かつ合理的な目標を、患者さんに押し付けてしまいがちになることがあるように思います。
でも。
思考がまとまらないだけで、ご本人は言いたいことがあるはずなんです。
リハビリを拒否せずに受け入れて下さっていると言うことは、きっと何かあるんだと思うんです。
その期待を、見過ごさないようにして欲しい。
もうちょっと、耳を傾けて欲しい。
その期待に応えることはできないのか?と、本気で考えて欲しい。
無理だと思うのなら、何で無理だと思うのかを、具体的に説明できるようにして欲しい。
誰がやっても無理なのか?
何を使っても無理なのか?
どこでやっても無理なのか?
なんで無理なのか?
手を尽くしてほしい。
患者さんと1対1で、まとまった時間を使ってコミュニケーションを取るのはセラピストの得意技のはず。
リハビリは、誰がするものなのか。
自分は、患者さんがするものだと思っています。
セラピストは、主語にならない。
初心に戻って、しっかりとりましょう、コミュニケーション。
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