練馬区適用指導教室の謎ルールについて情報公開請求してみた件(前編)


情報公開請求した背景

 日頃から、練馬区議会の”文教児童青少年委員会”に所属している区議のX(旧Twitter)のポストをウォッチしてるんですが。そこで気になるポストを発見したのが事の始まり。
 自分の話しからすると、適用指導教室の存在は、小学校のお知らせ等で目にしたことがあったが、正直なところよく分かっていなかった。常日頃から考えているが、現時点で我が子は”不登校”ではないが、いつ”不登校”になるかは分からない、現在の日本の教育環境には半ば失望しているので、我が子が選択的に学校に行かないと言っても、それも当然だろうなとも思っているし、特に問題はないとも思っている。ただ、親としてそこに一切の不安がないかといえばそうではない、そんな中で件のポストに引っかかりを覚えた。

適用指導教室とは何なのか(国編)

 気になったら、調べる。まず、国レベルの取扱いについて確認してみる。文科省では、平成15年の『不登校への対応の在り方について(通知)』において、”教育支援センター(適用指導教室)”と改称しているのでこれについて掘り下げてみる。

いわゆる適応指導教室については,その役割や機能に照らし,より適切な呼び方を望む声があったことから,国として標準的な呼称を用いる場合は,不登校児童生徒に対する「教育支援センター」という名称を適宜併用することとした。なお,各地域においては既に様々な親しみやすい名称を付している実態があり,そうした工夫は今後ともあってよいこと。

不登校への対応の在り方について 平成15年5月16日 15文科初255

 少し古い資料にはなるが、「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果によると。約63%の自治体で設置されている。

「教育支援センター(適応指導教室)」(以下、教育支援センターとする。)とは、不登校児童生徒等に対する指導を行うために教育委員会及び首長部局(以下「教育委員会等」という。)が、教育センター等学校以外の場所や学校の余裕教室等において、学校生活への復帰を支援するため、児童生徒の在籍校と連携をとりつつ、個別カウンセリング、集団での指導、教科指導等を組織的、計画的に行う組織として設置したものをいう。なお、教育相談室のように単に相談を行うだけの施設は含まない。

令和元年5月13日文部科学省

 分かったような分からないような。いまいちぼやっとしてるので、さらに掘っていくと以下の通知を発見。

設置の目的
センターは,不登校児童生徒の集団生活への適応,情緒の安定,基礎学力の補充,基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む。以下同じ。)を行うことにより,その社会的自立に資することを基本とする。

別添4 教育支援センター整備指針(試案)

 概ね全体像がつかめてきた。直近の不登校に関するトピックでいくと、令和5年3月31日に永岡文部科学大臣の下、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)を取りまとめが行われ、予算の拡充も行われている。

「教育支援センター(適応指導教室)」は、学校へ児童を戻すことが役割でなく、社会的自立を支援する事を目的としていると理解した。

適用指導教室とは何なのか(練馬区編)

 さて次に練馬区での取扱はどうかというところを掘り下げる。国の示す「教育支援センター(適応指導教室)」と呼称がごっちゃになって分かりにくいが、練馬区の場合は以下の通りになっている。

学校教育支援センターは教育研修、教育相談および教育情報の発信の拠点として、児童・生徒や保護者、学校を支援していくことを目的としています。また、施設内の研修室や、運動場の貸し出しを行っています。教育相談室は、光が丘、練馬、関町、大泉の4か所にあります。

練馬区HPより

 この学校教育支援センター(光が丘)の中に、不登校児童・生徒の学習支援として、「適応指導教室(中学生向け:トライ、小学生向け:フリーマインド)」が設置されている。

適用指導教室 トライ (中学生向け)
 練馬区在住または練馬区立学校在籍の中学生で、不登校や不登校に準じた状況にある生徒を対象とした適応指導教室です。
 学校とは異なった環境の中で、さまざまな悩みの相談や学習・集団活動などを通して、社会性や自ら学ぶ力を育て、学校生活への復帰や将来の社会的自立につながるよう支援します。

練馬区HPより

適用指導教室 フリーマインド (小学生向け)
 練馬区在住または練馬区立学校在籍の小学生で、不登校や不登校に準じた状況にある児童を対象とした適応指導教室です。
 家庭や学校とも連絡をとりながらさまざまな援助をし、子供たちの心身の成長を図るとともに、学校生活への復帰や将来の社会的自立につながるよう支援します。 

練馬区HPより

 概ね文科省の指針に合わせた設置が行われている事はHP上からは確認できた。さてここからが問題の中身の話しとなるが、長くなってきたので、問題部分については、後編にてまとめていきたいと思う。

”こぼれ話”

 そもそも”適用指導教室”って名称が最初から引っかかった。受け手側の気持ちに寄り添うのであれば、適用できていない事が悪かのような印象を与えかねない名称を見直すべきだし、事実国では、20年も前に”教育支援センター”への改称を行っている。魂は細部に宿るではないが、練馬区の基本姿勢がこういうところにも表れていると強く感じる。

現に改称を行っている他の自治体もあるので、練馬区についても検討を求めたいと思う。

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