変形性膝関節症はなぜ痛くなるのかという根本的な理由
こんにちは。
理学療法士の笹川ひろひでです。
あなたは姿勢・運動が原因で
おこってしまう最も多い慢性疼痛疾患を
ご存知でしょうか?
変形性膝関節症は世界で最も
悩まされている疾患であり、日常的に
行っている歩行が原因で起こることが
ほとんどです。
たしかに、前十字靭帯損傷をしたことが
ある、半月板損傷したことがある、など
外傷から移行することもあると言われています。
しかしよ~く考えてみてください。
必ず
痛くない状態 ⇒ 痛い状態
へ変化しています。つまり何らかの
変化が身体に起こったから膝の痛みを
引き起こしているのは間違いありません。
その変化を調べて、施術するのが
姿勢・運動の専門家である施術家の
役割です。
町の施術院であろうが、整形外科の
理学療法士であろうが患者さんの膝が
痛くて困っているならば
痛みを引き起こしている動作、歩き方を
改善してあげなければ炎症を繰り返し
たり、変形がすすんでいくことになります。
そして
膝の痛みで最も多い部位は膝の内側
ですが、痛みを感じる部位は
内側側副靭帯、
脂肪帯、
内側支帯、
鵞足部などなど
内側だけでもこれだけありますし、
内側だけでなく膝窩筋、内側ハムや下腿三頭筋の
起始部で痛みが出現することもあります。
このように痛みが出るところは様々
ですが、私たちのするべきことは
最も
シンプルで明確です。
これは根本的に患者さんの膝がなぜ
痛くなるのかに関わっているのですが、
患者さんの膝関節にストレスがかかる
歩き方になるのは、体の固さ云々の
前に
筋力低下が根底にあります。
筋力低下 ⇒ 特徴的な歩き方になる
⇒ 各筋肉で使う部分と使わない筋肉が出てくる
⇒ 膝関節にストレスがかかる
⇒ 炎症が起こり筋力低下がさらに進む
⇒ 筋肉で支持できなくなり変形がすすむ
このような流れで膝の痛みや変形は
進んでいくのです。施術家がするべきは
マッサージでもなく、一時的な即時結果で
もありません。
本当に落ちている筋力を回復させて
あげることです。
そもそも姿勢を決める要素は何も
神経学的に異常がなければ、各筋肉の
活動の割合で決まります。
腰が曲がっているなら腰に負担が
かかりますし、腰を反らせる筋肉が
働いています。
その分臀部の筋肉は働かなくなります。
膝だって同じです。
膝が完全に伸びながら歩く人は
内側のハムストリングスが働いて
いません。
つまり膝という最も人体で大きな
関節でありながら、最も負荷のかかる
関節が痛みを引き起こす最大の理由は
筋力低下による異常歩行
が根底にあるのです。半月板損傷しても
変形性膝関節症にならない人も実際にいます。
前十字靭帯損傷も同じです。
加齢で痛みを引き起こしていると思っている
施術家も多いですが、高齢でも膝の変形が
ない人はたくさんいます。
施術家として考えるべきは
事実をしっかりと認識することです。
変形性膝関節症の人は必ず筋力低下が
あります。むしろ筋力低下がなく膝の痛みを
訴える人を見せてほしいです。
若ければ若いほど、微妙な差しか
診れませんが、かならず若年者でも
筋力低下があります。
まずは施術家としてそこを見分けられる
訓練をしていきましょう(^^♪