療法士の資質とは?
皆さんはどんな時にnoteを書こうと思いますか?
私の場合、どんな記事でも書こうと思ったきっかけとなる出来事があります。
今回は“療法士の資質”についてです。
(療法士とは、ここでは理学療法士、作業療法士)
これについて書こうと思ったのは、1人の若い療法士の一言からでした。
その一言がこちら。
「患者さんの症状に疑問とか興味を感じないんです」
彼がこの一言を発したのは、私から
「何か困ってることある?」
と聞かれたことに対する返答でした。
なかなか衝撃的な言葉だった。
さらに私を困惑させたのは発言した本人の表情。
申し訳なさそうに、または本当に困ってて、というのではなく、『んー、強いて言うなら…』みたいな感じ。
立場も関係性も無視していいなら
「この仕事に向いてないんじゃない?」
って言っていたと思います。
発言した彼は、これまで疾患や症状に対して答えられないことが多く、教育担当のスタッフから『いつまでに調べときや』と言われてようやく調べてくるといった具合でした。
なるほど。
確かに、疑問や興味が無ければ自主的に調べることもしないか……
と、妙に納得してしまいました。
私は10年以上理学療法士をしていますが、特別に知識が豊富なわけではありません。
ですから、今でも知らない疾患や治療法をよく目にします。その度に文献を調べたり、本を読んだりしているのですが、それは“最低限”のことだと思っていました。
だって、それがわからないと療法士の仕事に支障を来たすから。
だから、私の短絡的な考えでは、
「患者さんの症状に疑問や興味を感じない」ならば、療法士の仕事は向いてないと思ったわけです。
しかし、冷静に考えてみると、果たしてそうなのだろうか?
そこで、私ごときが他人の向き不向きを決めるのもおこがましいので、療法士(医療職)の資質について調べてみました。
ソースは違えど、同じようなことが書かれていました。
インターネット上の他のサイトもほぼ同様です。
コミュニケーション能力、自己問題提起(学びに対する向上心)、教養、思いやり……
相手が“ひと”であることを考えると、『まぁそんなとこだろう』というのが正直な感想です。
ただ、意外なのは前述の文部科学省の最後の一文。
“このような資質を育てること”と、あります。
資質というと、私はなんとなく“性質や素質のように持って生まれたもの”というイメージだったのですが、どうやら育てるものだそうです。
資質がない≠向いてない
資質がない→育てる
ということですね。
ここで例として、話を「患者さんの症状に疑問や興味を感じない」療法士に戻します。
彼に足りないのは間違いなく、“自己問題提起”です。
疑問や興味を感じない→学びの意欲が湧かない
という構図ですね。
一方で、コミュニケーションという点では、患者さんから不評な意見をいただいたことがなく、本人も楽しそうにしているので及第点なのだろうと思います。
教養や思いやりといった所の評価は難しいですが、まだ若いですしこれからと言ったところでしょう。
つまり、現状の彼は療法士の資質が不十分ですが、その資質を育てるために、学びのモチベーションをどう保たせるかが彼の今後の教育に深く関わってくるということになります。
「患者さんの症状に疑問や興味を感じない」と言ったことは、やはり決して褒められることではありません。
しかし、そんな療法士に対して
「向いてないんじゃない?」というのではなく、
学びに対する向上心が育つよう接していくのも、先輩・上司の役目だとわかりました。
そして、それがわかったことで、私の教養も1つ成長したと思います。
コレも“資質が育った”になりますね。
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