1on1で職場の未来を変える!医療現場でモチベーションを引き出す方法とは
リハビリ科の管理職として、私はこれまで数多くの1on1面談を行ってきました。また、面接を受ける側としても20回以上の経験があります。しかし、これらの面談や目標管理制度が現場でどれだけ活かされているかといえば、正直なところ「形骸化している」と感じることが多いのが実情です。
この記事では、医療職における1on1面談の現状と課題、そしてその改善方法について考察します。特に「内発的モチベーション」の重要性に焦点を当て、個人と組織がともに成長するためのヒントをお届けします。
医療現場における1on1面談の現状
私が経験してきた多くの病院では、1on1面談は以下のような流れで行われていました。
目標管理シートの配布
職員がシートに記入・提出
今後の目標やこれまでの目標達成度、自己評価などを記載します。
管理者が内容を確認し、指摘や修正点を考慮
面談の実施
管理者から人事評価や目標の修正点が伝えられます。
同意・相談
職員が納得したうえで、必要に応じて相談を行います。
このプロセスは一見すると整然としていますが、実際には目標が形だけのものになりがちです。面談時に目標を確認して「こんな目標を立てていたんだっけ」と思い出す職員も少なくありません。こうした状況では、目標管理制度の本来の目的を果たせていないのです。
目標管理制度が形骸化する理由
なぜ目標管理制度が形骸化してしまうのでしょうか?その背景には以下のような要因が挙げられます。
目標が「決めるだけ」で終わっている
面談時に設定した目標が、日々の業務や行動に結びついていない。評価がボーナス査定程度に留まる
例えば、1~2万円程度のボーナスのために時間を割くことに意義を感じにくい。現状維持の文化
「昔からやっているから」という理由で、成果が見えない制度を続けている。
このような状況では、目標管理制度が職員の成長や組織の成果に結びつくことは難しいでしょう。
モチベーションの鍵:外発的 vs. 内発的
目標を達成するためには、モチベーションが不可欠です。モチベーションには大きく分けて以下の2種類があります。
外発的モチベーション
外部からの刺激による動機づけで、短期的・瞬発的な効果があります。例としては、給与の増加や職場環境の改善、人間関係の良好さなどが挙げられます。ただし、これらの効果は一時的であり、新たな刺激がないとモチベーションが低下してしまいます。
内発的モチベーション
自分の「やりたい」という内なる動機づけで、長期的・持続的な効果があります。これは、外部の状況に左右されず、本人が主体的に行動する力となります。
個人でできること:自分を理解する
内発的モチベーションを高めるためには、まず自分自身を深く理解することが重要です。以下の質問を考えてみてください。
仕事が定年になったとき、後悔しそうなことは何ですか?
夢は何ですか?
仕事の楽しさは何%ですか?どうすれば100%になりそうですか?
自分は何で覚えられたいですか?
自分のお葬式でどんなことを言ってもらえたら満足ですか?
自分の生涯を綴った本を作るなら、どんな終わり方が最高ですか?
これらの問いを通じて、自分の価値観や強み、性格を把握しましょう。そのうえで、社会が求めていることや自分が貢献できることを考えると、目標設定がより具体的で意味のあるものになります。
管理者としてできること:信頼関係の構築
管理者として、職員の内発的モチベーションを引き出すためには何ができるでしょうか?その鍵は「信頼関係の構築」にあります。
職員の長所や興味を見つけ、伸ばす
職員一人ひとりの成功が、組織全体の成功につながります。日々のコミュニケーションを増やす
職員の性格や価値観、強みを知ることで、目標を組織の目標と結びつけやすくなります。腹を割って話せる関係を築く
信頼できる上司には、本当の夢や目標を話しやすくなります。
まとめ:1on1面談を価値ある時間にするために
1on1面談や目標管理制度は、使い方次第で大きな成果を生む可能性を秘めています。形骸化した制度をただ続けるのではなく、職員の内発的モチベーションを引き出す方法を模索しましょう。
「人に興味を持ち、一人ひとりを大切にする」。この基本を忘れずに、個人と組織の成長を目指す1on1面談を実現してみませんか?
この内容が、現場での1on1面談の改善に役立つヒントとなれば幸いです。あなたの職場での実践例や気づきがあれば、ぜひコメントで教えてください!