心理士として自分に言い聞かせていること
私は臨床心理士です。
とても奥深い仕事です。
常に自分に立ち返ることが求められるので、私は何者か、私は何をもって私なのか、考えながら生きています。
常に自分の軸がないと振り回されるので、私は何に依拠しているのか、私が戻る場所はどこか、確認しながら生きています。
そしてその度に、自分の弱点や課題を見つけます。
だからこそ、私は自分に言い聞かせていることがあります。
その言葉たちは、私が心理の道を志したときからずっと、私と共にあります。
その中のいくつかを、ここに書き残しておきます。
心にないことを言わないこと
これはカール・ロジャーズの言うカウンセラーの大原則、「自己一致」に近しいと思います。自分の心の中に"確かにあるもの"を使っているだろうか?常に自分に問いかけています。
努力を続けること
以前の記事にも書きましたが、心理士にとって非常に重要なのは「矛盾への苦悩を常に示し続けること」にあると考えています。つまり、"(まいどまいど徒労に終わる)矛盾への努力"を続けることが出来ているか、自分に問いかけているのです。
言葉で人を動かそうとしないこと
言葉は私たちの商売道具の一つであり、最も重要なもののひとつです。しかしながら同時に、私は言葉を全く信用していません。言葉は代替物にすぎない。だからこそ、心理士として最も大事な言葉を"万能/絶対と思わない"よう、自分に言い聞かせています。
いつでも主張を曲げられること
主張を曲げられるのは、太い芯や重たい錨が無ければ出来ないことです。硬さと柔らかさを同時に持つこと。その振り幅を広くすることを、常に自分に言い聞かせています。
どれも、私の「心理士として自分に言い聞かせていること」であって、決してルールではないしポリシーでもありません。
また、全ては実行することが難しいから言い聞かせるのであって、決してどれも実行できていません。
そしてこうした"言い聞かせ言葉"は大量に存在しており、つまりそれだけ心理士としての私が未熟で無力な存在であることを示しています。
ここに書き残し、単なる一人のメモから社会の中のメモに変わることで、何らかの効果を持つのでしょうか。
自問しながら保存します。
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