図と地の分化(figure - ground segregation)
外界にある対象の形を知覚するためには、対象を背景から分離し、1つのまとまりとして取り出す必要がある。
このとき、まとまりのある形として浮き出て見える部分を図(figure)といい、その図の背景となる部分を地(ground)という。
対象を形として知覚するためには、図と地の分化が必要。
図と地の分化が生じたときの特徴(ルビン,Rubin. E.)
①図は形をもち、地は形をもたない。
図と地の反転が生じても、両方が同時に形をもつことはない。
②図と地を区切る境界線は、図の方に属しているように知覚される。
③図は地より手前に浮き出ているように知覚され、地は図の背後まで広がっているように知覚される。
④図は「物の性格」をもつのに対して、地は「素材の性格」をもつ。
分化の要因
(A) 閉合の要因
閉じている領域または閉合の傾向をもつ領域は、開いている領域よりも図になりやすい。
(B) 狭小の要因
面積に大小の差があるときには、小さな領域が図になりやすい。
相対的な面積の差が大きいほど、小さな領域が図として安定する。
(C) 空間の方向の要因
垂直、水平方向に広がる領域は、斜方向に広がる領域よりも図になりやすい。
(D) 内側の要因
内側にあって囲まれている領域は、面積が大きくても、外側にあって囲んでいる領域よりも図になりやすい。
(E) シンメトリーの要因
対称形の領域は、非対称形の領域よりも図になりやすい。
また等しい幅の領域が図になりやすい。
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