自己制御(self-regulation)
○自己制御
何らかの目標を達成しようと行動するとき、その目標の妨げとなるような別のことをしないように行動を制御すること。
ミッシェルら(Mischel, M. et al.)は、就学前の子どもにお菓子を1つ与え、部屋に1人残し、実験者が戻ってくるのを待たせた。
子どもはお菓子を食べずに実験者が戻るのを待つことができれば、お菓子をもう1つもらえるが、途中で実験者を呼ぶと1つしかもらえないという状況におかれた。
約10年後に再度調査をすると、幼少期に自己制御能力が高く長く実験者を待つことができた子どもたちのほうが、学業、社会的スキル、対処能力が優れていた。
○制御資源(regulatory resource)
自己制御に費やされる特定のエネルギー。
何かを我慢することで、制御資源が消費されると考えられている。
短期的には有限であり、いったん多くを消費してしまうと、その次の自己制御に費やすことのできる制御資源が不足し、制御が不十分になると考えられる。
制御資源は、訓練により増強することができる可能性も示されている。
実験によると、制御資源を消費させられた実験参加者はそうでない参加者に比べて、より攻撃的な反応を示すことが見出だされた。
自己制御によって抑制されている反社会的行動は、一時的な制御資源の枯渇により表出されやすい。
望ましい反応が抑えられている場合は、制御資源の枯渇によって望ましい反応が表出されることになる。
○自我枯渇(ego-depletion)
ある場面で制御資源を使いすぎるとエネルギーが枯渇し、後続の課題に支障をきたす現象。
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