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「うつ病は心の弱さが原因ではない-ウイルス原因説から見えるうつ病治療の未来-」から考える、これまでのこと、これからのこと。

※この記事は全文無料で読むことができます。

2021/02/26

こんにちは。HACOです。

待ちに待った書籍が発売しました。この研究の動向はずっと気になっていたので。何よりもわかりやすく説明してもらえるのがありがたいです。

うつ病とヒトヘルペスウイルスについての東京慈恵医科大学ウイルス学講座の研究報告がつまった【マンガ】です!!

なぜ医学書なのにマンガなのか…本編でご確認ください(笑)

臨床現場で説明するのにも【マンガ】になっていることで伝わりやすくなるのも助かります。また、周囲の方への啓蒙にも使えるメリットもあります。本書にもある様に、身近な人の理解不足により当事者がダメージを受けてしまうことは多くありますので。

下記のようなことが物語仕立てで語られるので、頭に入ってきやすいです。

うつ病はヒトの脳に潜伏しているヒトヘルペスウイルス6が作るSITH-1によって起こる。センセーショナルに発表されたウイルス説が本当に意味することは何か? 発見者自らが解説する。うつ病はの原因はウイルスである!!
世界最新「うつ病治療」の最前線──

2020年にアメリカの科学誌『アイサイエンス』に掲載され、国内外で大きな注目を集めている論文『うつ病の原因遺伝子発見』。本書は、その書き手である慈恵医大の近藤一博教授が原作を担当し、自らのうつ病研究の成果をマンガの形にした、他に例のない「最先端医療科学コミック」である。 

出典:うつ病は心の弱さが原因ではない :近藤一博,にしかわたく|河出書房新社 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309249919/

ちょっと目次だけ触れてみると、ウイルス説にいたるまでのうつ病研究の歴史や治療について振り返ることができます。心理療法への提言もあるのがありがたかったです。これまでの振り返りをして、これからの目標設定につなげていきたいところです。

【目次】
第1章 「心の問題派」VS「脳の病気派」
第2章 実は終わってる?セロトニン説
第3章 「こころ派」のすそ野は果てしなく広い
第4章 それでも【遺伝子派】はあきらめない
第5章 うつ病レボリューション
第6章 あなたがうつ病になる確率
第7章 SITH-1は暗黒の遺伝子なのか
第8章 うつ病を予防するにはどうしたらいい?

そして、第8章から円環的につながる前著「疲労ちゃんとストレスさん」もかなりおススメです。この2冊で、【うつ病】と【疲労】と【ストレス】とのつながりを理解することができます。病気の原因についての究明だけでなく、どうすれば予防できるのかについての提言にもつながっています。

臨床的には、何となくそうだろうなと思っていること、行動や現象を観察し、その変化によって状態を把握していくことが重要なことは変わらないのですが、病気の原因につながる根本的なことがわかってくると、現場での対応や対策の検証や有効性の確認にもつながってくるので有難いです。これまでの活動を肯定してくれるようなこともあったりすると救われる部分もあります。

基礎研究と臨床実践がうまく融合していくことで、病気に関わる方たちのサポートの幅が広がっていくこと、安心感を増やしていくことにつながっていけばと思ったりします。


そして、うつ病のウイルス説のこれからについて、エピローグで語られている下記のことは大切ですね。

「教授の説が間違ってたらどうします?」
「間違った説は必ず淘汰されるところが科学というものの一番いいところなんです。」「だから、万が一自分が間違っていたとしても安心していられるんです」 

これからもこの研究の進展を楽しみにしたいと思います。

昨年の6月ごろの記事にはじまり、何か歯車が動き出している感じですね。

ウイルスにより人類の進化につながる可能性を、昨年からのウイルスの影響に曝された世界がどうなっていくのか?いろいろな角度で考えていくことを続けていこうと思います。

研究的にも興味深く、臨床的にも予防・対策につなげられるヒントがたくさんありました。今後の活動にも活かされていくと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。

それでは、また。

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