早朝うどんの儀
午前5時過ぎのうどん屋は朝早い労働者達が無言で黙々とうどんをすする場所。これから戦地へと赴くソルジャー達が鋭気を養い、力を蓄える神聖なるサンクチュアリである。肉うどん、わかめうどん、きつねうどん、ゴボ天うどん…。それぞれが思い思いのメニューを注文し、淡々と胃袋に流し込むのだ。今日という日を戦い抜く為に。
そんな中まだ休日気分の俺がヘラヘラとした表情で陽気に注文したのはカレーうどん。この店のカレーうどんは初挑戦だ。ワクワクが止まらない。
そして単品で豚カツを注文した。カレーには豚カツ。相場は決まっている。鉄の掟である。
注文から数分で俺の前に現れたカレーうどんと豚カツ。
おいしい。おいしい。そして熱い。
こんなに熱いカレーうどんは食べたことがない。慌てて食べると口の中が火傷してしまいそうだ。猫舌には致死量とも思える熱を放出している。もしかすると銀河系で一番熱いカレーうどんかもしれない。
その昔「冬場のカレーうどんの熱さはそのお店の客に対する優しさ」だと某専門家※1は言っていた。そういうことなのだ。優しさはありがたくいただかなくてはならない。ゆっくりと味わって食べ進む。どんどん身体が温まっていくのが分かる。感謝感謝。
出汁で割ってないカレーがたっぷりかかっているので、普通に食べるとカレーが余るかもしれない。お腹に余裕があるならご飯を追加するとより多くの幸福感を得られるに違いない。
カレーは中辛で多くの人が美味しく食べられる素敵なカレーうどんだった。ご馳走さまでした。最高でした。
※1 2週間くらい前の俺のこと
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