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「部下力」を上げることを考えよう

この記事の文字数:5723文字


中間管理職になりたいですか?

中間管理職のイメージはいかがでしょうか?
部下と上司の間に立つ役割です。嫌だな、成りたくないなとよく耳にするポジションでもあります。

医療関係者は部署の責任者として、全体を見渡す立ち位置の管理職とチームの行動を円滑にする中間管理職の存在は組織では重要になります。

世間のイメージと自分の上司を見たためか、人気の上がらないポジションもまた中間管理職です。

今あなたが所属している組織を変えるには

日本中の医療施設では、年功序列や勤務年数序列の職員が、中間管理職になるケースがほとんどです。

そのため、部下で働いている時からマネジメントを学習し、マネジメントできるスタッフが、中間管理職となり管理職を目指す事も重要です。

マネジメント
:ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(1909~2005、アメリカ)が提唱したと言われている。簡単に言えばマネジメントとは、組織に成果を上げさせるためのツール・仕組み・機能・機関であり、その責任を持つ人をマネージャーと定義しています。

そして、マネジメントは魔法の言葉ではないので、マネジメントの目的と役割まで考える必要があります。

マネジメントの目的
:設定した目標に沿って組織を運営すること

マネジメントの役割
:目標を設定する、目標の設定に沿って組織を構築・運営する、成果の評価とフィードバッグする

マネジメントの大きな役割として、組織の「目標・仕事内容・プロセス」を管理する事により、組織で目標を達成する事にあります。
その為には、管理職、中間管理職だけでなく、一般職員である「部下」のうちからマネジメントを知る必要があり、本文では一般職員の働き方を総称して「部下力」と呼んでいます。

患者さんを評価し、目標を立てて臨床推論から、アプローチをする。さらに再評価して、目標を再度立てて臨床推論を行い、プローチする。
「マネジメント」や「部下力」というと感じがしますが、医療関係者が日常当たり前に行っている仕事と思考の仕方は同じだと思っています。

是非、学んだ日から使えるので、「部下力」を上げて会社に成果を出して下さい。

この記事では、職員の働き方「部下力」について説明しています。また記事の内容と連動して動画とともに解説します。

この記事は単品でも読めますが、noteマガジンもしくは有料メールマガジンの方が圧倒的にお得です。

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動画中に出てくる「SALPO(サルポ)」は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の学習オンラインサイトであり、現在は閉鎖中です。

この記事では「SALPO」で人気の高かった「部下力をつけよう」という動画を一部改変して、閲覧可能にしております。

数の多い一般職員の質が上がると会社は上向く

図に示すように組織の構成として、役職のついている中間管理職の人数よりも一般職員数が多いのがスタンダードな構造です。

いかに優秀な管理職がいても、中間管理職が一般職員の管理ができていない場合、組織の力は発揮し切れない状態となります。

反対に、一般職員の質が高ければ、中間管理職が就任したばかりの駆け出しの組織でも、組織として機能するまでにかかるタイムラグは短くなります。

部下力を上げる図

もし一番人数の多い一般職員が
・業務を時間内に終わらす事ができる
・エラーが少ない
・方針に対して前向きな意識がある
・仕事の進捗状況を報告できる
・無駄を省く必要があるという意識がある
5つの要素をしっかりと抑えていれば、その会社全体の土台が安定するので、非常に成果の出る組織となる事は間違いありません。

これが難しいから中間管理職が存在するわけですが、一般職員の部下力を上げる事も中間管理職の仕事です。

優秀な部下とはどんな人?

優秀な部下とはどのような人でしょうか?
動画では
・報連相がしっかりとできる
・上司の言う事を聞く
と言う意見が出ました。非常にざっくりとしていますが、意図は理解できるものです。早速、一つ一つ紐を解いていきましょう。

社会の矛盾もありますが、
「報連相をしっかりして欲しい」と言うのに、報告をすると「いちいちそんな事まで報告するな」と言う状況を経験した事がないでしょうか?

上司がおかしい・・・
この部分だけにフォーカスを当てると、間違いなくおかしな上司です。
報連相に対しての5W1Hで細かな指示をしなかったのだろうと思います。

しかし、本当に上司だけがおかしいのでしょうか?とあえて疑問を持って欲しいいと思います。(上司の責任逃れではありません)

部下から報連相をする時は、医療関係者であれば「患者さんの事」「他職種間の事」「自分の仕事の進捗」あたりではないでしょうか?
この報告する時の主語は「部下」側です。

中間管理職を今は上司と表現しますが、上司の仕事は臨床現場だけではありません。部下がいれば、部下全員の把握、管理職とのやりとり、部署の目標設定・・・等、考える事は山積みです。

部下力を上げる図2

部下の仕事は基本的には1:1ですが
中間管理職の仕事1:多数となります。
(管理職は上図では赤ラインで1人の中間管理職しか関係していないように見えますが、中間管理職の数だけ管理しなければいけません。)

話が外れてしまったので元に戻しますが、
「報連相をしたのにそんな事をいちいち報告するなと言われた」
1:1で仕事を考えている部下の報告内容が、1:多数で仕事をしている上司が求めていた報告と乖離がある時に、この現象が起こります。

上司が何を伝えて欲しいかを具体的にしていない事もいけませんが、
部下も上司が求めていないような内容の報告をする事はまずい事です。

部下自身も「報告は忙しい上司に対して時間をとる行為」と言う概念がないと、すぐに上司が悪いという思考になってしまいます。

部下力の低い人の報連相

ストレートに部下力の低い方の報連相を紹介します。
報告:部下の伝えたい情報を報告
連絡:部下の空いている時間に連絡
相談:主語が自分の内容の相談
となります。これでは上司は聞いても理解できず適切な指示は出しにくいです。そのため、適切な指示を受けれなかった部下は、うちの上司は無能と勘違いしてしまいます。

部下力の高い部下は違います。
上司の求める情報に形を変えて報告し、緊急時以外が連絡可能な時間を上司に確認する。そして、報告内容に自分の考えを合わせた「方針案」を相談します。
この部下の報連相ならば、中間管理職は適切な判断と決断ができて、助言する時にも具体的な指示が出せます。

報連相に関しては、今までどのように上司に相談していたのかを見直して、意識して報告と相談内容を精査し、時間を確認する、知っているだけで今日から変わる事ができる部分です。

この積み重ねが部下を評価する時のポイントになりますし、好き嫌いとかではなく、部下力の高い職員にやりがいの高い仕事が回る事も説明ができます。

上司の言う事を聞くと言うのはどういう事?

「上司の言う事を聞く」意味は
× イエスマンになる
× 指示待ちになる
ではありません。

そもそも上司は方針や作戦を立てて、進捗に合わせて進め方を調整するのが仕事です。その目的達成の為に、実働していくのが一般職員の仕事です。

中間管理職は
・作戦を立てる
・部下の能力をしっかりと把握する
・作戦の結果を管理職に伝達する
の3点が仕事ですから、部下とコミュニケーションをとって得意な分野などの情報を知っていなければいけません。

管理職に対して、実行した結果の報告の仕方については、報連相の時に述べた通りです。

一般職員は中間管理職や管理職に対して、中間管理職は管理職に対して、相手の求める情報の伝達ができる事が「部下力」の高さです。

部下力の高いスタッフが多いほど作戦は立てやすい

部下力の話をしてきましたが、混乱していないでしょうか?
難しい時には、少し戻りながら、動画と一緒に記事を読んでください。

医療関係者には集客と営業という概念が比較的薄い傾向にありますが、病院でもクリニックでも老健でも、訪問の分野でも集客と営業は非常に重要です。

「集客を上げよう!」という非常に抽象的な目標ですが、患者さんが1回来られて(またはこちらから伺って)次回お会いする事がないのであれば、完璧な医療を提供できたのか、2度と行きたくないと思われたのかの2択です。(患者さんの用事に関しては考えません)

毎日通院したい!が正解とは言いませんが、目先の売上だけ考えれば来院してもらう事も重要です。
毎日通院する → 治療成果が出ていない or 治療成果が一過性である
という矛盾も発生します。

集客を上げる作戦を上司が立てる時に、部下の能力を理解する事は非常に重要ですが、上司の視点から部下を見ると

優秀な部下は
部下自身で何ができるのかを明確に提示できる人
だと思います。
決して、これが嫌ですとか、これはしたくありませんをアピールする事であありません。

部下力の高い人は上司を○○として見ている

各部署で新規企画や既存のやり方を修正して、さらに良いサービスを提供する努力が必要です。

一般職員や中間管理職が社長(病院長)に直談判して変化をもたらす方法もないわけではありませんが、緊急事態以外はその後の組織の連携不和を引き起こす可能性が高いので正攻法とは言えません。

企画を通す正攻法は
① 一般職員 → 中間管理職へ企画をプレゼンテーションする
② 中間管理職 → 管理職へ①の企画をプレゼンテーションする
③ 管理職 → 経営陣へ①の企画をプレゼンテーションする
④ 病院長もしくは理事長が①の企画の実行可否を決定する
(企画の規模(関わる人員数や予算)に応じて決定権を担う方は違います。)

部下力の高い人は、上司を一つのツールだと考えて、上手く使う事が上手です。上司に対して「使う」という表現が適切かどうかは、今は考慮しないで下さい。

自分の考えた企画が如何に素晴らしい企画でも、上司の視点から見て不要と判断されれば、企画が採択されることはありません。
上司との関係性が良くなければ、これも企画が通りにくくなるのも現実です。

上司が部下から上がってきた企画を、もっと上の上司に熱意を持ってプレゼンテーションしたくなる必要があります。
・企画の内容
・プレゼンテーション能力
・上司との人間関係
が企画が円滑に通るには必要になります。

優秀な部下は上司を企画を通してもらうためのツールとして捉えた方が効率が良いわけです。

部下力の高いスタッフをまとめると
1.上司を更に上に情報を伝えるツールと捉える
2.情報は上司の欲しい形に変えて伝える
3.上司の発言をしっかり聞く(目的や意図を察する)

部下力の低い人は掃除ができない

優秀な部下は部下ではいられないくなる。
色々な書籍にも出てくる一文です。

そして、掃除を丁寧にできる部下は、掃除の仕事だけにとどまらなくなるとも言われています。

具体的に言えば、
掃除をはじめ誰でもできる事を一生懸命できる人は、自分の仕事や仕事以外の行動も一生懸命に対応できる傾向にあります。

そんな熱心な部下は
→ 仲間からの評価が上がる
→→ 上司からの評価も上がる
→→→ 出世する
上記の流れになります。

掃除だけで大袈裟すぎない?って思うかもしれません。
職員の共有スペースにゴミが落ちていても拾えない、もしくは拾う必要がないと思っている人が、質の高い仕事ができるとは思えますか?

仮に、落ちてるゴミを拾わないが提供できる技術が高い人は、心が養われていないので、ただの技術力の高いスタッフであり、部下力が伸びて信用されるスタッフではないと断言できます。

誰でもできる事は誰もができないといけない事です。
誰もができる事を一生懸命にできる事は、当たり前なのに大事な事です。

部下力の高い人は出世する

部下力の高い人を会社は放っておきません。
なりたいとかなりたくないとかは関係なく、中間管理職の候補に上がります。

部下力の低い人は何年経っても管理を専門にする仕事は回ってきません。
部下力は後付けができる能力であり、意識の持ちようです。

上司は本来仕事が忙しいので、正しくない情報や必要性が低いと判断した情報は頭に残りません。

上司が頼りない、上司は全く下を見ていないと感じるならば、半分はきっと正解です。もう半分は、部下力が低く上司の欲しくない情報を提供しているからかもしれません。

上司を変える事は簡単にできる事ではありませんが、上司に対して自分のあり方を変える事は今日からできます。部下力の高いエーススタッフを野放しにする事は100%ありません。

出世して管理職になりたいならば部下力を磨くのはマストです。そして、自分の事でなく、医療のサービスの質を上げたいなら、各自で部下力を高め合う事も重要になります。

人材は会社の宝ですから、基盤となる現場のスタッフの成長は、確実に評判が上がり、売上が上がります。

部下力を意識してみて下さい。

エレガント 机 YouTubeサムネイル

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閲覧できる動画:【完全版】部下力を高めろ

今回は中間管理職の管理するものは何かについて説明しました。
医療関係者の中間管理職に突然させられてしまった方へ、あなたが組織のいなくてはならない存在、つまり、中間管理職のあなたが「会社の関節」となれるよう情報を発信していきます。

ご感想をコメントや下記のお問い合わせメールアドレスよりいただけますと、大変励みになります。
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今回のまとめ
・部下力は後付けの能力で意識付けから変わる
・優秀な部下は上司の時間を奪わない
・報連相は情報を上司の欲しい形に変化させる
・戦力として計算できる人材になる事が利益を上げる第一歩
・上司は更に上司へ情報を伝達してくれるツールとして捉える

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