身体編 Hack.16 運動の負荷と方法
理学療法士らしく真面目な運動の負荷と方法の話をして行きたい。
よく耳にする話として
「ダイエットしたいなら代謝を上げないといけないから足の筋肉を鍛えたほうがいい。」
「体幹が弱い」
どちらも間違っていない情報だが、なぜか?がわかっていなければ、負荷をどのようにしてあげていけばいいのかがわからない。
腓腹筋というふくらはぎの大きい筋肉とヒラメ筋という腓腹筋の奥にある筋肉を例にしてで説明する。
腓腹筋は持久力と瞬発力では瞬発力に優れており、ヒラメ筋は持久力に優位な筋肉である。
(厳密に言えば、瞬発力・持久力どちらの要素もあるのだが、どちらの含有率が高いのかという話しを簡単に説明する)
腓腹筋を鍛える事は2足歩行の人間が心臓から遠い位置から血液を心臓に戻す行為は、瞬発力に富んだ筋肉の方が向いている。
その為、腓腹筋が弱化してくるに従い、足元から心臓に血液を返そうという働きが小さくなる。
身体全体の血の巡りという循環が悪くなるのがイメージつくだろうか?
それではヒラメ筋は何をしているのかというと、ヒラメ筋は持久力に優れた筋肉の為、腓腹筋ほど血液を使用せずに動く事ができる筋肉である。
つまり、立ち仕事や散歩を含めて、立っている場合に、ヒラメ筋が弱化してくると、立つのが面倒になり疲れやすく感じてすぐに座りたくなると考えて欲しい。
すると長い時間立てなくなる為、瞬発力に優れた腓腹筋の出番が少なくなってきて、結果血液の循環が悪くなる。
ヒラメ筋は腓腹筋を支える縁の下の力持ちの役割をしているが、持久力も瞬発力もどちらが欠けても、心臓に帰ってくる血液が少なくなる。
だからこそ代謝を上げたいならば、足の筋肉から鍛えた方がいいという言葉が導き出されるのである。
(厳密に言えばお尻の大殿筋ー中殿筋の関係性や大腿直筋と大腿二頭筋の関係性もあるが、理解をして欲しい為割愛する)。
体幹を鍛えるという言葉も疑問だらけだが、ダイエットが必要な方は大概姿勢が悪い。悪い姿勢から体幹の前面(お腹側)、後面(背中側)のどちらかもしくはどちらも弱くなっている可能性がある。
そして、先程のヒラメ筋の話をすれば、持久力が低下してくると、立つ事を避ける傾向にあり、寝てしまったら体幹の筋肉の使用頻度は小さくなる。
つまり、体幹が弱い状態が時間をかけて完成する。
だからこそ、足の筋肉が弱ってしまう事に関して抗わないといけないのがおわかりいただけただろうか。
土台のない状態の方が、いきなりランニング等の高エネルギー運動を行ったらどうなるのか?次の章で説明するが、結果は想像できると思う。
Hack.17に続く
日和将貴(ひわまさたか)
島根県の理学療法士養成校を卒業。実習で指導をしていただいた師匠のいる山間部の老健に就職する。「病気は知識、人を診る、住処を診る、環境を診る」人が活きる事を想像する師匠の背中を見て、現在は病院で中間管理職として勤務している。中国地方のセミナーの少なさを補う為、PT・OT・ST向けセミナーを誘致する団体運営とWebを使用した学習サイトと協働している。現在は中間管理職応援家としても活動し、セミナーだけでなくYouTubeやzoomを利用して中間管理職のマネジメント、心得や仕事術等を定期的に配信している。
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