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ゲーム(1997)
フィンチャー監督のサディスティックな挑戦状
死を賭けたスリリングなゲームの行方
『セブン』(’95年)の陰鬱な映像と衝撃的なストーリーで一躍先鋭的な映画監督として注目を浴びたデヴィッド・フィンチャー監督が『セブン』の次作として発表したのは、またしても不穏な雰囲気が漂う作品でした。
テーマは〈死を賭けたゲーム〉です。
【ストーリー】
冷酷な投資家のニコラス(マイケル・ダグラス)が48歳の誕生日に、長い間疎遠だった弟のコンラッド(ショーン・ペン)からプレゼントを受け取ります。
「もう何も欲しい物のない兄さんには楽しみをあげるよ」。そんなメッセージとともに贈られたのは、ゲーム会社の入会申込書で、自分自身がコマになってゲームに参加するというものでした。
その後、ニコラスのゆく先々で奇怪な出来事が起こりはじめます。それは一見スリリングなゲームのようでしたが、次第にニコラスは命を狙われるようになります……。
「先の展開がわからないジェットコースタームービー」と銘打った作品は数々ありますが、本作はもうどこまで人間を追いつめられるかというフィンチャー監督のサディスティックな感性が生み出した観客への挑戦状にほかなりません。
フィンチャー監督は特殊技法を使ったグラフィックを使って、視覚的に恐怖心をあおっています。
そして、怪しげな役をやらせたらピカ一のショーン・ペンも適役で、これもある種の恐怖心を掻き立てる特殊効果といえるでしょう。