電話でだきしめて(2000)
今観ると、懐かしくて、とっても温かい!
電話が繋ぐ家族の絆を描いたハートフルコメディ
ロマンティックコメディの女王、メグ・ライアンが『電話で抱きしめて』ほしいのは、ひょんなことから恋に落ちる未来の恋人ではありません。3人姉妹の真ん中に生まれたメグ扮する次女のイヴは、どうやら恋愛どころではなさそうです。
3人姉妹とその父親が織りなす、愉快でちょっぴりせつない関係を描いた本作は、まさに“電話”が愛のパワーを放出します。
【ストーリー】
夫と一人息子と暮らすイヴ(メグ・ライアン)はイベント業の仕事もこなす多忙な日々を送っていました。そんなイヴの悩みは、実家のトラブルが持ち込まれること。イヴは3姉妹の次女ですが、仕事人間の長女ジョージア(ダイアン・キートン)や、自由奔放な三女マディ(リサ・クドロー)は家族のことなど顧みようとしないからです。
しかし、ある日、三姉妹の父親ルウ(ウォルター・マッソー)が認知症になってしまいます。
「女が3人寄ればかしましい」という言葉もありますが、それが喜びや悲しみを共有して成長した姉妹ならなおのこと。たわいもないことや思い出話から、愚痴や皮肉、がなりあいの喧嘩まで、電話を通して次から次に飛び出してくる言葉の数々。その勢いは笑いを通して、圧巻でさえあります。
メグ・ライアンを始め、ベテランのダイアン・キートンや都会派コメディの第一人者ウォルター・マッソー、テレビシリーズ『フレンズ』のフィービー・バッフェイ役で注目されたリサ・クドローなど、芸達者な役者たちが織りなす家族模様が、柔らかな明るい心象風景のような映像で描かれます。
たとえどんなに離れていても、いや離れているからこそ、家族の絆を確かめる人々のいじらしさが胸を熱くする、上品で洗練されたハートフルコメディです。
『恋人たちの予感』(’89年)、『めぐり逢えたら』(‘93年)など、ユーモアとペーソスを交えて、女性の恋心の移ろいを繊細に描き出してきたノーラ・エフロン監督が、彼女の実妹デリア・エフロンの自伝的処女作を映画化するために、製作と脚本を担当。デリア自身が製作総指揮を務めています。
監督を務めるのは、長女ジョージ役のダイアン・キートンです。恋愛が絡まない女心の機微を見事に捉え、賢明な女性たちへの応援歌を謳い上げています。
本作の公開時は、ごく自然なことだった“電話で直接話す”というコミュニケーションが薄れる時代が来るとは、つゆにも思っていませんでした。だから、今観ると、懐かしく感じる人と、新鮮に感じる人と、世代により、感じ方が違うのかもしれませんね。
私はとても懐かしいです。。。( ´艸`)
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