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胃薬が腸内細菌にとっては脅威だったとは!?
先日参加させていただいたイベントの中で、東京医科大学の永田尚義先生の講演がございました。
永田先生の講演は「日本人の大規模データから見えてきた健康長寿のための腸活」と言うテーマで、10年以上にわたる日本人を対象にした、生活習慣、薬、病気に関する膨大な情報から、腸内環境(腸内細菌)との関係を研究されたものの成果をわかりやすく解説されるものでした。
医療機関で様々な疾病や投薬の患者さんに5,000例を超えるデータを元に調査したものですので、それらとの関連性がわかり非常に興味深く聞かせていただきました。
この講演で私の中で最も興味を引いたのが、お薬を処方されている患者さんで、どの薬が一番腸内細菌に影響を与えているか?と言うものです。
もうすでに答えは画像でも表記していますので、第1位は胃薬だと明らかにしていますが、私は抗生物質だとばかり思っておりました。
抗生物質は意外にも第3位で、第2位は糖尿病のお薬だそうです。
抗生物質は菌を死滅させるものですから、感染症には欠かせないものですが、言うまでもなく腸内細菌もたくさん死んでしまいます。そこは納得済みなのですが、まさかの第1位が胃薬とは?!と言うことです。
ただ抗生物質の場合、1週間ほどで投与をやめますので、長期服用する胃薬とは比較するのはどうかとも思います。
そして胃薬は長期服用を避けられる薬とも言えます。例えば漢方薬に変えるなど方法はあるかなとも思います。そう言う意味では、抗生物質や糖尿病のお薬は必要に迫られて投薬されるのに対し、胃薬に関しては腸内細菌のことを思えば可能な限り考え直すことが出来るお薬ではないでしょうか。
永田先生も胃薬の服用に関しては、慎重になるべきとの見解でした。
腸内細菌にとっては思わぬ落とし穴があったのですが、薬の服用に関しては、よく考えるべきだなと改めて思いました。