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体内時計により腸内細菌叢の構成成分の変化が日々起こっていたとは?!

今日は、体内時計と腸内細菌のつながりをマウスの実験から考察してみたいと思います。

この実験結果は柴田重信先生の著書から引用しています。画像はよく実験に使われるマウスです。イラストとはいえリアリティがあって、ちょっと可哀そうな気も致します。

話しを本題に移します。体内時計は、腸内細菌叢の構成成分などに影響すると言うことがわかってきています。

『マウスの実験で、時計遺伝子(体内時計を司る遺伝子群で現在20種類くらいが見つかっています)が働いていないマウスや、シフトワークのモデルになるようにしたマウス(交代勤務をしているかのごとく起きる時間やエサの時間を変化させたマウス)について調べた結果、腸内細菌叢の構成成分の多様性が低下していることがわかりました。そしてシフトワークモデルのマウスには肥満の状態も見られました。』

上記の結果は、腸内細菌側から見ると、腸内細菌叢については多様な種類の有用菌が存在する方が健全と言われていますから、健康状態としては不健全な状態と言えます。

それが、体内時計が正常に働かなくなったときに起こるということですね。

そしてもっと興味深いことは、マウスの朝、昼、夕、夜の糞便を解剖により採取して腸内細菌叢を調べると、朝と夕では違いが見られたというのです。

すなわち、一日の中で腸内細菌叢は一定ではないことがわかります。それも、活動期でない就寝時を経た朝の糞便と、活動期を経た夕の糞便の腸内細菌叢の違いが出ているということですね。

ただ、食べものを摂取して糞便に反映されるまでは、早くて24時間、遅くて48時間くらいはかかりますから、そのタイムラグをどう見るかというのはあると思います。特に今回はマウスの実験ですので、人との時間差はあるはずです。

しかし、体内時計が腸内細菌叢に影響を与えていることは確かなようです。

そして、この結果から、腸内細菌叢の変化が2週間程度と言われていたものが、日々、朝と夕にダイナミックに変化していると言うのが、非常に衝撃的ではあります。

もちろん、個人差はあるとは思いますが。

もう少し、体内時計と腸内細菌については、深く見て行きたいと思います。