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COPD急性増悪(AECOPD):3週間の在宅型PRプログラムは、安全かつ有意義であり、標準的な薬物治療のみよりも症状、機能能力、健康状態の改善に効果的

3週間の在宅型PRプログラムは、安全かつ有意義であり、標準的な薬物治療のみよりも症状、機能能力、健康状態の改善に効果的である


Machado, Ana, Cíntia Dias, Cátia Paixão, António Pedro Gonçalves, Chris BurtinとAlda Marques. 「Short-term effects of home-based pulmonary rehabilitation during outpatient-managed exacerbations of COPD: a randomised controlled trial」. Thorax, 2024年12月16日, thorax-2024-221760. https://doi.org/10.1136/thorax-2024-221760.

抄録

背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪期(ECOPD)における呼吸リハビリテーション(PR)の有益な効果については不確実性がある。本研究では、外来管理されるECOPD患者を対象に、在宅型PRプログラムの短期的な効果と自己報告による影響を調査した。

方法
外来管理されるECOPD患者を対象に、混合法のランダム化比較試験を実施した。参加者は診断後48時間以内(ベースライン時)に、コントロール群(CG、通常治療のみ)または実験群(EG、通常治療+3週間の在宅型PR)に無作為に割り付けられた。評価はベースライン時と3週間後(治療後)に実施した。主要評価項目はCOPD評価テスト(CAT)とし、二次評価項目には症状および機能能力の測定を含めた。PR終了後、インタビューを実施した。解析は(非)パラメトリック混合分散分析、演繹的テーマ分析、統合的表示によるナラティブ統合を用いて行った。

結果
外来管理されるECOPD患者50名(男性78%、平均年齢70±11歳、1秒量(FEV1)47.4±16.4%予測値)が対象となった。CATスコアにおいて、EGはCGに比べて有意に大きな改善を示した(EG:Δ−12.5±7.2、CG:Δ−5.9±7.2、p=0.002)。また、他の二次評価項目13項目中12項目でも有意な改善が見られた。PRによる自己認識の改善は、症状、日常生活の管理、健康状態、精神状態、エンパワーメントにおいて肯定的な影響が確認された。副作用の報告はなかった。

結論
3週間の在宅型PRプログラムは、安全かつ有意義であり、標準的な薬物治療のみよりも症状、機能能力、健康状態の改善に効果的であった。これらの成果は予後不良に関連することが多い結果であるため、外来管理されるECOPDにおける回復プロセスの改善にPRが果たす役割を強調し、患者の予後改善に寄与する可能性がある。

試験登録
NCT03751670


研究要約

箇条書き要約

  • 研究目的

    • COPD急性増悪(AECOPD)における患者中心の地域型呼吸リハビリテーション(PR)の短期・中期・長期的な有効性を評価する。

    • 臨床および患者報告アウトカムにおけるPRの最小臨床的重要差(MCID)を確立する。

    • PRプログラムに対する患者の視点や自己報告された影響を評価する。

  • 研究方法

    • AECOPD患者を病院やプライマリケアセンターの臨床医を通じて募集する。

    • ベースラインデータを診断後24~48時間以内に収集し、患者を通常治療群(コントロール群)または通常治療+PR群(実験群)に無作為に割り付ける。

    • PRは3週間で6回(週2回)実施し、呼吸訓練、気道クリアランス技術、胸郭の可動性や柔軟性のための運動、心肺トレーニング、教育、心理社会的支援を含む。

    • 3週間後にすべてのアウトカム測定を再評価し、さらに2、6、12か月後に電話でフォローアップを実施する。

  • 対象者の条件

    • 対象: GOLD基準に基づき診断されたAECOPD患者。

    • 除外基準: 入院が必要な患者、他の慢性呼吸器疾患を持つ患者、不安定な心血管疾患を持つ患者、認知機能障害のある患者など。

  • 収集データ

    • 社会人口学的・臨床的データ、バイタルサイン、末梢酸素飽和度、症状(呼吸困難、疲労、咳、痰)、肺機能、身体活動レベル、末梢筋力、機能状態、運動耐容能、健康関連の生活の質。

  • 期待される結果

    • PRの導入により短期間での大幅な改善が期待され、再増悪や医療資源の利用が減少する可能性がある。

  • データ分析

    • SPSSソフトウェアを使用し、記述統計および推論統計を実施する。

    • 介入の効果サイズを計算し、グループ間の比較を実施する。

  • パイロット研究

    • 2016年11月~2017年12月に実施され、サンプルサイズ計算およびプロトコル調整が行われた。最終的に50人の参加者を募集予定。


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