0405 - 無意識に影響を与えてくれているタイトル
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年末らしく掃除をしていたら、懐かしいマンガが出てきた。
・鳥山明のヘタッピマンガ研究所
・藤子・F・不二雄:未来の想い出
内容の面白さはもとより、よくよく思うに、タイトルやキャッチコピーを考える際に無意識に影響を与えてくれている2冊だったりする。
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*以下は個人的な憶測で語っています。「そうじゃないよ」や「実はこうなんだよ」というご指摘があれば大歓迎です
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「ヘタッピマンガ研究所」は小学生の時に購入した。調べたら1985年発売なので間違い無い。当時から「発音して心地よいタイトルだな」と感じていた。「ヘタ研」とか「ヘタッピ」とか略して呼ぶこともなく、常に「ヘタッピマンガ研究所」と呼んでいた。
たぶん「何が何して何とやら」という浪曲や講談で使われる七五調のリズムに近いのが心地良いのだろう。「あの日あの時あの場所で」とか「逃げるは恥だが役に立つ」のような語感。しかも実際に発音すると分かってもらえると思うが「あの場所で」や「役に立つ」だと「トトトトト」な8分音符の連打的な発音になるが、「研究所」は「ケン・キュー・ジョ」という「トントントン」な4分音符的の少し伸ばし気味で引っ掛かりの無い発音になる。
「ヘタッピマンガ研究所」と同じような語感としてパッと思いついたのは「ゴホン!といえば龍角散」というキャッチコピー。七五調のリズムだし「龍角散」の部分も「りゅうかくさん」というトトトトトではなく「りゅー・かく・さん」というトントントンというリズム感なので心地よい。
龍角散と同じようなとはいえ、比較するとやはり「ヘタッピマンガ研究所」のほうが優れているように思える。ポイントは最初の「ヘタッピ」という言葉。途中で小さな「ッ」が入ることでホップするようなリズム感になり、更に着地する言葉が「ピ」という破裂音で楽しい気持ちにさせてくれる。(グリコのお菓子は「ポッキー」「プリッツ」「パピコ」などパ行の破裂音が多いのと同じ理由)
考えれば考えるほど、素敵すぎるタイトルだ。
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「未来の想い出」が発売されたのは1992年。中学生の時だった。まずタイトルに大きな衝撃を受けた。未来なのに「想い出」なの?そんなのアリなの?
つじつまが合わないこのタイトルがものすごく自分の中に響いて、むしろこういった引っ掛かりが想像力を刺激してくれて、意味や味わいを深めてくれることがあるんだなと気付かせてくれた。
1990年代後半に、後追いで「P-MODEL」にどハマりしたのだが、そのP-MODELが1985年に発売したアルバム「カルカドル 」の帯にあるキャッチコピーが「こんな音楽、観たことなし。」であることを知った時「おお!未来の想い出っぽい」と感じたことを今でも強烈に覚えている。
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そういえば、マンガではないが、影響を受けたタイトルとして個人的に外せないものがある。
それは「平安京エイリアン」というゲーム。
調べたら1979年に誕生したゲームとのこと。僕が存在を知ったのは小学生の時だった。「平安京」という歴史的な和モノの漢字に、「エイリアン」という壮大な宇宙に関する未確認生物のカタカナを組み合わせるというセンスに、子供ながらにシビレまくった。
以前SNSでこの「平安京エイリアン」のことを書いたら、近しいどなたかが(すみません、パッと思い出せず)「椎名林檎的なタイトルの元祖だよね」とコメントしてくれて「たしかに!」と首を大きく縦に振った。
「無罪モラトリアム」「勝訴ストリップ」「丸の内サディスティック」など。まさに、平安京エイリアン的で絶妙なる「漢字+カタカナ」の組み合わせ。そりゃデビュー当時から椎名林檎にどハマりするわけだ、自分。
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妙に印象に残る(引っかかる)タイトルについて「なぜだろう?」と掘り下げると、語感の仕組みや法則性だけではなく、自分自身の趣味嗜好で新しい発見もありそうだ。
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