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立体映像を記録できる!メタバース時代の注目技術「ボリュメトリックビデオ」でMVを撮影しよう!
■いま注目の『ボリュメトリックビデオ』とは!
こんにちは、茶里です。さて、突然ですが皆さまは「ボリュメトリックビデオ(Volumetric Video)」という言葉を耳にした事はありますでしょうか。
いつもの連載記事でご紹介しているフォトグラメトリというのは『撮影した写真から、被写体の姿を3Dで再現する』技術でしたが、ボリュメトリックビデオというのは、いわばその映像版。
『撮影した動画から、被写体の動きを3Dで再現する』。いわゆる「立体映像」を記録できる、いま注目の技術なのです。
こちらの映像は、ボリュメトリックビデオで撮影したギターの演奏を、バーチャル空間で再現したもの。
普通の映像と異なり、ボリュメトリックビデオは360度の情報をもった立体映像なので、このように自由にカメラアングルを変えた編集も可能ですし、好みのバーチャル空間にパフォーマンスを投影することもできます。
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このパフォーマンスもボリュメトリックビデオで撮影されている
さらに、このように、いま流行りのVRChatとボリュメトリックビデオを組み合わせれば、バーチャル空間でライブを開催することさえ可能です。
バーチャルな空間で、人が時間や距離を超えてコミュニケーションを行う、そんなメタバース時代(?)が夜明けを迎えようとしている今、バーチャル空間と相性のよいこの「ボリュメトリックビデオ」が注目を集めているのは当然といえるでしょう。
普段からフォトグラメトリという、親戚のような技術を紹介している茶里としては、ぜひ体験したい……と思っておりました。
でも、ボリュメトリックビデオの専門スタジオというのは大規模で高額なサービスを提供している場所が多く、個人で気軽に体験できるものではありませんでした。
「ボリュメトリックビデオ、やっぱり体験するのは無理かなぁ」
……と、諦めかけていた頃、ある方にお声がけいただいたのです!
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「手頃なボリュメトリック、あるよ」
……とは仰ってませんでしたが、なんと個人で、コストを抑えてボリュメトリックビデオを体験できる場所があるとの事。これは行くしかありません!
■"Rememory Studio"に伺いました
ということで、取材に伺ったのがこの "Rememory Studio" です。
Rememory Studio は、あらゆるジャンルのパフォーマー向けに開かれた、ボリュメトリックビデオの撮影スタジオ。
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そして、スタジオ内で自らギターパフォーマンスを披露されているこちらの方こそが、今回手をさしのべていただいた堀川 隆弘さん。Rememory Studioを運営している、curiosity株式会社のCEOです。
curiosityは『「魔法のような現象」を、現実の世界で体験できること』をビジョンとして掲げており
全国のドコモショップで体験できる、こちらのMRコンテンツ「ロイと魔法の森」や
好きなアバターと一緒におでかけができるARコンテンツ「AVATAVI」など、XR領域に広く注力しており、ボリュメトリックビデオにもメタバースがトレンドになる前から取り組んでいます。
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堀川さんは
『時節柄、パフォーマーの方々のパフォーマンスの場が少なくなっている今こそ、ここでパフォーマンスをXR空間に移すお手伝いをしたい』
という考えのもと、Rememory Studioで価格を抑えたボリュメトリックビデオ撮影サービスを提供しているのです(※現在はプレオープン中で、正式なサービス提供はまだ先)。
実は、冒頭でご紹介したギター演奏の動画も、VRChat上でのライブも、このスタジオで撮影したボリュメトリックビデオが使われていました。
ゆくゆくはVRChatのようなバーチャルライブを、より自由に行える独自プラットフォームの構築や、そこで披露したパフォーマンスにいわゆる「投げ銭」できるようなシステムを導入することも検討されているそう。
パフォーマーにとっても、それを視聴する側にとっても、Rememory StudioやCuriosityの提供するサービスから目が離せません。
■ミュージックビデオ作成サービスを体験!
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さて、そんなRememory Studioの提供サービスの中でも特徴的なのが、この「オート Music Video」。撮影したボリュメトリックビデオをバーチャル空間と融合させ、ミュージックビデオを作成できるサービスです。
これは是非とも体験したい所ですが、残念ながら茶里はミュージックビデオを撮るほどには楽器ができません……。
そこで、今回は代わりにサービスを体験頂くプロの方をお招きしました!
クラリネット奏者で、クラリネットアンサンブル「AQUAMUSE」メンバーの小田祐子さんです。
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ボリュメトリックビデオはもちろん、VR機器にもまったく触れたことがないという小田さん。堀川さんの説明を直々に受けながら、ボリュメトリック・ミュージックビデオの撮影に、いざ挑戦です!
★★小田祐子さんの活動が気になった方はこちら!★★
■まずはミュージックビデオの舞台を選ぶ
挑戦……と言いましたが、親切なスタッフさんのサポートもあり、特に難しいことはなく、スムーズに撮影準備が進んでいきます。
今回小田さんが演奏することに決めたのは
「大きな古時計」
と
「Danny Boy」
の2曲。スタッフさんが、この曲に合いそうなステージの候補を挙げてくださったので、その中からミュージックビデオの舞台となる場所をセレクトしていきました。
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ステンドグラスが雰囲気のある、大聖堂のような場所から……
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灼熱の荒野のような場所まで。ボリュメトリック・ミュージックビデオなら好きな舞台が選べます。
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悩んだ末、小田さんは「大きな古時計」を大聖堂で、「Danny Boy」を荒野で演奏することにしました!!(文字にすると異様なスケール感のデカさが際立ちます……!)
■いよいよボリュメトリックビデオの撮影!
さて、舞台が決まれば、さっそく飛行機にのってオーストリアの大聖堂と、アメリカの大渓谷を周遊する旅へ……出発する必要はもちろんありません……笑!
収録はここ、神保町のRememory Studioですべて完結します。衣装に着替えてさっそく演奏開始です。
グリーンバックでの撮影なので、緑色の衣装は避けました。いつかの恐竜さんの件みたいに、消えちゃいますからね。
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撮影ブース内は閉め切ってしまうので、演奏の様子は編集ブースでモニタリングします。果たしてどのように仕上がるのでしょうか?
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■完成したMVがこちら!
後日、完成したMVがこちらです!
いかがでしょうか?どちらの曲も、バーチャルなバックグラウンドと組み合わさることで、独特の魅力が生まれているように思います。
(「大きな古時計」の「おじいさんが天国にのぼった」感がすごい……笑)
小田さんいわく、
”自分の演奏している姿がバーチャル空間に紛れ込み、まるで夢の世界にいるようです!
クラリネットは木で作られている為、日光の下や雨に濡れてしまう等NGなシーンが限られてしまうのですが、それが簡単に自分の好きな世界に入り込めてしまうなんて本当に夢のよう!
舞台選びから、全方位グリーンバックに囲まれての撮影までとっても楽しませて頂きました! 舞台、衣装、音楽、あらゆる要素でできたMV。 雰囲気が伝われば嬉しいです!”
とのこと。完成結果はもちろんのこと、撮影のプロセスも大変楽しんでいただけたようでした!
■小田さんの演奏をご自宅でもAR視聴できます!
さて、今回はなんとMVだけでなく、こちらのiphoneアプリ「Rememory」を使う事で、小田さんの演奏をご自宅でも楽しめる、ARライブ用のデータも作成いただきました!
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「Rememory」を使えば、こんな感じで、小田さんや他のアーティストの方々のボリュメトリックビデオをAR視聴できるだけでなく、ご自身でもボリュメトリックビデオの撮影にチャレンジできてしまいます!ぜひお試しくださいませ^^!
〇Rememoryのダウンロードはこちらから↓↓〇
〇Rememoryで小田さんの演奏を視聴するにはこちらにアクセス!〇
■大きな古時計■
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☆QRコード☆
![](https://assets.st-note.com/img/1650536681039-bljs6ejVaj.png?width=1200)
■Danny Boy■
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![](https://assets.st-note.com/img/1650536775102-2cl17p1iOj.png?width=1200)
■パフォーマーの皆さん、ぜひご体験あれ!
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いかがでしたでしょうか?読者のみなさまも、ボリュメトリックビデオの持つ可能性の片鱗を感じてくださったなら幸いです。
「現実の人や場所の持つ力は大きい」
と語る堀川さんは、この「現実の人や場所の持つ力」とXR技術をかけあわせることへのこだわりを熱弁されておりました。Rememory Studioはまさにその夢をさらに大きく広げていく、足掛かりとなる場所。
メタバースというとフルCGの世界を想像しがちですが、堀川さんの見据える先には、現実世界をもメタバースの一部として包括してしまうような、ある種もっとリッチなメタバースの可能性が開けているように感じました。
Rememory Studioは現在も、XR空間へと表現の幅を拡張したい、アーティストやパフォーマーを随時募集しているとのことです。
我こそはという方は、ぜひ門を叩き、最先端の技術に触れてみてはいかがでしょうか?
~取材協力~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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堀川隆弘
curiosity, inc Founder / CEO / Engineer
東京大学理学部数学科卒。大手SIer・モバイルコンテンツ会社勤務を経て2012年に渡米。aeria games, 米Yahooでモバイルアプリ開発に従事し、帰国後にcuriosityを創業。シリコンバレーの技術者NPO団体、JTPA共同代表も務める。
2008年に個人で開発・公開した携帯シミュレーターFireMobileSimulatorは、日本全国のモバイルサービス会社で広く使用される。ロボット、アプリ、web、画像処理、機械学習、ハードウェアなど幅広い分野に精通している。
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小田祐子
クラリネット・AKAI professional EWI 奏者
神奈川県横浜市出身。12歳よりクラリネットを始める。 神奈川県立元石川高等学校を経て、洗足学園音楽大学音楽学部を優秀賞を得て卒業。卒業演奏会出演。同大学大学院修了。2008年日本クラリネット協会主催・第5回クラリネットアンサンブルコンクール第一位及び「ザ・クラリネット賞」受賞。2009年ヤマハ株式会社主催・第27回ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。2012年マリインスキーバレエ日本公演に参加。また吹奏楽団体とのソリスト協演や、国内オーケストラへの客演など広範囲で活動中。
2007年から2015年までクラリネットアンサンブル「COLORFUL」のメンバーとして活動し、2009年から2013年までに、コロムビアミュージック・キングレコード・ユニバーサルミュージックより計6枚のCDアルバムをリリース。
ロケットミュージック社より、アルバム収録曲楽譜・クラリネット教則本、発売中。 2015年クラリネットアンサンブル「COLORFUL」活動休止と同時に新ユニット、クラリネットアンサンブル「AQUAMUSE」結成。2016年アクアミューズとしてのデビューCD"アクアリズム"をリリース。
フランスのセルマー社製クラリネット “プレザンス” のアンバサダーをつとめる。 2020年FMたちかわ吹奏楽バラエティ番組『ヒコ波田野のThe Wind Stage』のアシスタントパーソナリティをつとめる。 AKAI EWIのエンドーサーとしてデモンストレーションやEWI個人レッスンを担当。東京タワーで定期的にライブ、海外公演をする等、精力的に活動中。 https://lit.link/yukodadadada
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