「鼻詰まり」で身体機能・パフォーマンスは落ちる? 理学療法士
今回は鼻詰まりと身体機能の関係についてまとめていきます。
鼻詰まりと身体運動で大きく関係している部分として「呼吸」があります。
人は鼻呼吸をすることで口腔内の乾燥を防ぎ、口腔内の清潔を保ち、菌の繁殖を防ぐことが期待されます。
しかし、口呼吸ではその逆の作用が起こることが考えられます。
また、口呼吸では口が開き、下で上顎を支えられないことや気道が十分に確保できないことから頭位が前方変位してしまい下位頸椎から上位胸椎が屈曲位となり、猫背になってしまいます。
この中で運動することでより呼吸補助筋が過活動となり、頸部周囲や肩甲骨周囲筋の過緊張を起こすことが予測されます。
こうすることで胸郭を十分に運動できず、肩甲帯の可動性の低下や上肢の筋出力の低下が起こり、立位のバランスも不良となり、パフォーマンスにも影響することが予測されます。
さらに蓄膿症などで副鼻腔内に膿がたまり周囲組織である三叉神経を圧迫することで頭痛の症状がみられることもあります。
頭痛が起こることで集中力の低下や運動能力の低下が起こり、パフォーマンスに影響することもよくあります。
臨床上でも頭頚部の可動域制限や上肢のパフォーマンスに対して、理学療法を行うもののなかなか反応せずに、耳鼻科で蓄膿症の治療をすることで上記の症状が改善するケースも経験しています。
このことから問診では鼻詰まりや頭痛について聴取することや頭頚部の可動性、筋緊張等を把握して、状況に応じて耳鼻科などの受診を勧めることも重要であると考えております。
スポーツ選手でも花粉症の時期ではパフォーマンスが落ちてしまうケースや副鼻腔内の手術後に成績を残すこともあるため、見落としてはいけいないサインであると思います。
もちろん、運動以外でも仕事の効率や集中力を高めたい方も鼻呼吸がちゃんとできているかチェックしてみることが必要であると思います。
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※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。