荷重下の「knee in」の要因を考える 理学療法士
今回は荷重下で膝関節外反である「knee in」についてまとめていきます。
knee inとはつま先に対して、膝が内側に入っていることを指します。
考えるべき要因としては
①足部から下腿が回旋運動障害しているケース
②体幹等から大腿が回旋運動障害しているケース
③膝関節自体のアライメント不良しているケース
④これらが複合的に起こっているケース
①足部から下腿が回旋運動障害しているケース
足部の距腿関節はほぞ継構造と呼ばれ、距骨が下腿の天蓋部にはまり込む形状です。
足関節背屈運動時に距骨の後方滑りや外転、内方傾斜がうまく起こらない場合は天蓋部が距骨に合わせに行くため、下腿を正常から逸脱させて回旋させます。
そのため、結果的に大腿に対して下腿が過外旋し「knee in」となります。
また、偏平足や前足部のアライメント不良によっても結果的に距骨の運動制限となり同様の結果が起こります。
②体幹等から大腿が回旋運動障害しているケース
荷重下で片側下肢に荷重をかけるには下腿上を大腿が内旋する動きが必要となり、それは骨盤が前傾しながら起こることが必要となります。
骨盤を前傾しながら片側下肢に荷重をかけるには腰椎の伸展・回旋・逆側屈のカップリングモーションが必要となり、また頭位を安定させるために胸腰椎移行部より上位の体幹部で逆回旋の動きが必要となります。
これらが出来ないことで結果的に大腿が外旋し、それに対して下腿はさらに外旋させ対応しようとするため「knee in」してしまうことがあります。
③膝関節自体のアライメント不良しているケース
膝蓋下脂肪体や鵞足、腸脛靭帯、膝蓋上嚢など膝関節周囲組織の滑走不全やそれに伴う膝蓋大腿関節アライメント不良がある場合は下腿過外旋となり、「knee in」してしまうことがあります。
④は①~③が同時に組み合わせて起こっています。
評価の順番としては必ず、非荷重下で下腿が過外旋していないかを評価することが重要です。
非荷重下で膝関節アライメントが不良である場合はそれを修正して、荷重下を評価することで可動域制限の影響を考察できます。
また、この場合は局所的な評価にならず、大腿より中枢部との連動性や下腿より遠位との連動性も必ず影響するので診ることが大事です。
これらを踏まえて、非荷重下では問題ない場合は足部の不安定性や体幹機能の影響も考えられるため、評価していくことが良いと思います。
意外と足部・下腿や膝関節自体に目が行きがちですが、中枢部からの影響を考えることも「knee in」の修正に重要なことも多い気がします。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。