熊野古道を歩きながらスタンプラリーの心理学を考えてみた
先日、和歌山県:世界遺産熊野古道を友人たちと訪れました。
宿舎で一人旅をしているアントニーという名の気さくなアメリカ人と知り合いました。
「どこまで歩くんですか?」
と私が質問すると、
彼は、
「今日は近露王子。ガイドブックのルートに従ってスタンプを押していくんです」と答えてくれました。
表紙には「熊野古道中辺路 押印帳」と書いてあります。英訳すると、多分、スタンプラリーかな? って思って、おしゃべりを楽しみました。
宿舎から歩いて10分の高原熊野神社では、中国人の夫婦が、同じスタンプ帳にハンコを押しているシーンに遭遇しました。熊野古道「中辺路ルート」には、スタンプ押印所が36箇所が書いてあります。このルートを歩くんですね。
スタンプラリーって集めたくなる心理が働きますよね。今日は、この行動心理を考察してみます。
スタンプラリーとは?
スタンプラリーとは、特定の場所やイベントを訪れ、スタンプを集める活動です。
夏休みになるとJR東日本の駅巡り:ポケモンスタンプラリーが開催されます。ピカチューの黄色い帽子をかぶって電車に乗っている親子が楽しそうです。
私は、四国八十八か所霊場の御朱印を納経帳に書いていただきました。この巡礼の経験、霊場巡りも、英訳するとスタンプラリーなのでしょう。
どうして人は、大人も子供も、
スタンプラリーをするのでしょうか?
すべてを集めたくなる行動心理
収集癖をくすぐっているような気がしています。スタンプラリーは、すべてを集めたいという人の欲求を刺激しているはずです。コレクションしたいって思わせてますよね。
自ら移動して、整理して、スタンプ押して、思い出作ってという一連の行動が、集めたいモチベーションを維持していると考えられます。
完成させたい欲求
スタンプラリーを通じて、人は「完成させたい」という強い欲求を感じます。これは、目標達成の喜びと密接に関連しているのでしょう。
私と妻と2人で始めた四国八十八か所霊場の巡礼は2年をかけて達成しました。
途中で長男が生まれて、赤ちゃんを抱いて山頂にある寺まで歩く道のりは、かなりの労力でした。それでもやり遂げました。家族3人で達成したい欲求を叶えるには、時間はかかりましたが、楽しい思い出となりました。
これは単なるスタンプラリーとして御朱印を集めたいだけでなく、精神的な充足感や達成感を与えるものでした。
◇ ◇ ◇
スタンプラリーには、多くの人がハマる心理が巧みに盛り込まれているんですね。集めたスタンプを誰かに見せたいという欲求もありますよね。承認欲求を満たす要素もふんだんに盛り込まれています。
デコピクミンコレクション
私は、ピクミンブルームというスマホゲームにハマっています。毎日数回アクセスしています。
デジタルの世界でも、ピクミンブルームのデコピクミンコレクションは、スタンプラリーなんだと思います。バーチャルなアイテムですが、集めることで、同じような満足感を得ることができます。
コ レクションすることによる達成感を得たいと巧みにゲームにその要素が組み込まれています。
特に強い欲求を満たしたいと思わせるポイントには、達成するために「課金」しなければなりません。販売会社のクリエーターが儲かるように、うまいこと仕組まれています。
私は、課金しないで楽しむことを、自分ルールにしています。たかがゲームなので熱くならないようにほどほどに。
無意識に課題を完了させたいと考えたり、
ここまで時間をかけたのだからと愛着が深くなり,途中でやめられなくなるサン ク・コストを感じたり、
コレクションを見せびらかしのための衝動に駆られたり、
いろんな心理がたかがゲームひとつの中に存在しています。
まとめ
スタンプラリーは、私たちの内面にある集めるという本能をくすぐり、達成感や社会的なつながりを感じさせる魅力的な活動です。
それは、古くからの伝統的な巡礼から、現代のデジタルゲーム:ピクミンブルームに至るまで、多様な形で私たちの生活に根ざしています。
追伸:
熊野古道旅行記を書き始めたのですが、話がスタンプラリーになってしまったので、今日はここまで。旅行写真集は、別の記事、多分明日にアップしますね。
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