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「どうやって文章を書いているの?」
私はこれまでに、noteに約600記事を投稿し、そこから1冊の書籍を出版することができました。noteや書籍を読んでいただいた友人たちから「どうやって文章を書いているの?」と質問されることが増えました。
友人・知人から「思考を言語化するスキルを持ってるよね!」と褒められて、とても嬉しい誇りに感じています。しかし、実際のところ、私は特別な技術を使っているわけではありません。
むしろ、文章を書くというより、すでに自分の中にもともと存在している思考を取り出す作業なのではないかと感じるようになりました。
今回は、私の文章の書き方と、それが仏像彫刻のような作業と似ていることについて考えてみます。
仏像彫刻とは?
唐突ですが、仏像を作り出す仏師という職業があります。アーティストとかクリエーターなんてカタカナで表現してはダメ。漢字で「仏師」です。
仏像彫刻とは、木の中から仏様を彫り出す作業です。一本の丸太から、人間国宝と呼ばれる仏師が立派な仏像を作り出しますが、彼らは決まってこう言います。
「仏様を作り出しているのではありません。仏様は初めから木の中におられるのです。私たち仏師は、木槌とのみを使って、まわりの木屑を払いのけているだけなのです。」
この仏師の仏像制作過程を聞くと、私は「文章を書くことも同じなのではないか?」とピンと来ました。
文章を書くプロセス
一般的に、文章を書くときは、何かを考え、それを言葉にして目に見える形にする作業だと考えられます。しかし、私の場合は考えて書くというより、勝手に溢れ出てくる感覚が強いです。
note執筆を始めた2年前頃は、朝の散歩中に思い浮かんだことを帰宅後にモーニングページに書きなぐっていました。そして、脈絡もなく飛び出した単語やフレーズを組み立ててブログ記事を作成していました。
近年の散歩は、当初から進化しました。
散歩しながら、フッと、自分の意思ではなく、「ぼんやり思考モード」に入る時があります。スイッチを自分で入れるわけではなく、いつも間にか、何か考えているって感じです。
その「ぼんやり思考モード」に入った時を認識するようにしています。勝手に非現実的な空想を楽しむようなことをしないように意識します。
思いついた世の中に起きている事象やエピソードを整理して、その背景にある心理や人の行動を洗い出そうとします。論理が飛躍しないように、思考があっちこっち行かないようにコントロールしながら思考モードを調整しています。
そうすることで溢れ出す思考を、歩きながら整理されるようになりました。
思考が整理されてくると歩きながらiPhone音声入力で記録します。帰宅後にMac Bookで変換ミスや文字校正をします。それをnoteに投稿しています。音声入力は短時間で文章が完成して、修正は最小限で済み、すでにほぼ完成した文章が出来上がります。
このようなプロセスを続けるうちに、私は文章をゼロから生み出しているのではなく、もともと自分の中にある「文章化された思考」を取り出しているだけかもって感じるようになりました。
それはまるで仏師が丸太の中の仏さまを彫り出すように、私も自分の内面にある文章を素直に音声として外面に見える形でテキストとして表現しているだけなのです。
文章を妨げる「鎧」
もし、もともと内面に文章がすでに存在しているとすれば、その思考を外に出さないように妨げているものは何でしょうか?
その妨げているものは「鎧」です。
私たちは鎧を着ているのです。
鎧によって、世間の目、日本的な常識、同調圧力、、、こうした目に見えない空気が、私たちの思考を覆い隠し、表に出すことを阻んでいます。
会社員時代、私は会議で発言するときに上司の顔色をうかがい、チームワークを乱さないように気を配っていました。本音を持っていても、それを出さずに、周囲に流されることが、生き延びる手段だったからです。
これこそが「鎧」であり、私の思考を閉じ込めていた要因でした。
鎧から衣への変化
退職しセカンドライフを楽しむようになって3年ほど経ちました。振り返ると、会社を辞めたことが「鎧」を脱ぎ捨てる最も大きな転機だったと感じます。
退職後は、頑丈で重たい鉄の鎧はいつしか「衣(ころも)」に変わりました。衣だと、軽いので自由に動けるようになりました。小麦粉で出来ていますからね。水をかければ溶けてしまうほど、もろいものです。
会社員時代には重厚な鎧に守られながらも、自由は奪われていました。しかし、今はその重みから解放され、自分本来の思考をそのまま素直に表現できるようになったと解釈しています。
いや〜、辞めるとあんなに重たい鎧がなくなるんですね。
もともと「マイペースまこさん」と呼ばれてました。あまり人の気持ちを汲み取ったり、空気を読むことができないキャラでした。そんな私でもそれなりに波風を立てないように頑張っていた社会人人生でした。
元同僚からは、「気を遣っても、あの失礼な態度なの?」って思われるかもしれませんが、当時はあれが私なりに精一杯の会社員でした。
会社員と言う呪縛は、本来人が持っていた思考や感情さえも、外に出さないようにしてしまう監獄のようなところなのかもしれませんね。
文章を書くということは
こうして考えると、「どうやって文章を書いているの?」という質問への答えは明確です。
私は、仏師が丸太の中の仏様を取り出すように、自分の内面にすでに存在している「文章化された思考」を取り出しているだけなのです。決して、ゼロから何かを生み出しているわけではありません。
もし、文章が書けないとが、書くネタがないと感じる人がいるなら、それは思考やアイディアがないのではなく、単に「鎧」が邪魔をしているだけかもしれませんよ。その鎧を脱ぎ捨てることができれば、誰でも自然と文章を紡ぎ出すことができると、私の経験からはそう強く思います。
おわりに
みなさんも、自分の中にすでにある言葉を外に出してみて生活してみるのはいかがですか? 鎧を脱いじゃえば簡単ですよ。
「どうやって鎧を脱ぐの?」って質問が来そうですね。
それは、「自分軸を持つことです」が私の回答です。
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