道徳・倫理に繋がる「正しい感性」
道徳と倫理の原義
先ず、両者に共通するのが
「人として行うべき社会的に
正しい行為の基準である」
言うことです。
「道徳」は
考える余地のない社会規範で、
「倫理」は
考えたあとでの自己規範です。
「道徳」が先にあり後に相手との関わり
で矛盾が起きた場合にそれを解決する為
に考え自らの判断を規範とするのが、
「倫理」であると私見ですが解します。
また、
倫理には大きな意味が含まれてそれは
「社会的な行動の規範となるもの」を言い、
一方の道徳は「人間が社会の一員として
守るべき行為の基準」を指すとも解します。
詰り、
「道徳」は「人」の道であり、
「倫理」は社会の中で一人の人間として
生きていく場合の自己規範です。
英語のモラルには道徳、倫理共に含まれます。
(参考)
【道徳】(大辞泉)
1 人々が、善悪を弁えて正しい行為を
なすために守り従わねばならない規範の総体。
外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、
自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。
2 小・中学校で行われる指導の領域の一。
昭和33年(1958)教育課程に設けられた。
3 《道と徳を説くところから》老子の学。
【倫理】(大辞泉)
1 人として守り行うべき道。善悪・正邪の
判断において普遍的な規準となるもの。
道徳。モラル。「―にもとる行為」「―感」「政治―」
2 「倫理学」の略。
【道徳】(ニューセンチュリー和英辞典より)
(社会的行動・慣習の基準)
morals(※しばしば男女間の品行をさす);
(道義)morality;(特定の集団・職業の)
ethics(※複数扱い.→倫理).
【倫理】
(特定の集団・職業における善悪の判断基準)
ethics(※複数扱い);
(社会的行動・慣習の基準)
morals.(※ethicsほど客観性を重視しない)
(→道徳)
道徳(morals > ethics)
→ 社会的行動・慣習の基準(客観性を重視しない)
倫理(morals < ethics)
→ 特定の集団・職業における善悪の判断基準
さて、個々人の道徳と正しいと言う倫理
の意識と両方の選択活動は切り離せません。
また、躾・ルール・マナー・倫理、
コンプライアンスも夫々は関り合います。
それは個人の生い立ち、生活環境、
性別年齢、仕事や立場に影響されます。
どんな境遇や立場であっても
変わらないことは人として正しい否か❓
と言うことです。
正しい思考と判断
一般社会では『正しい』と判断する
個人的思考の基準は夫々の人により
『正しいと考え、思うことは異なる』
と言うことが前提とされ時代の進化
と共に様変わりして来ています。
また、その判断基準は年齢差などによって
感性が大きく変化し人として成すべきことを
『当たり前で正しこと』と考えて伝えると、
受け止める人により「見返りを望み求める」
であるとか
「押し付けがましい」「今の時代に合わない」
と言われることも多々あると思われます。
しかし、このように言われて簡単に
妥協してしまって良いのでしょうか❔
私見ですが、
どんなに時代や社会環境が移り変わろうとも、
人である以上その『心』は不変だと考えます。
日本国内では、
様々な自然災害震が頻繁に起こり、、
「自分の為より、誰かの為に」
というような思い遣り・利他愛他の心、
人と人との繋がり方、婚活や様々な省エネ
(エコ)への取組などにも表れているように、
『正しい』(≒当たり前)と思っている心の
持ち方や判断基準に様々な変化が見られます。
現在叫ばれているSDGsは、
古から日本人の心に存在し育まれて来た
勿体ない意識を始めとした調和=和の心
にある日本人独自の意識も含みます。
『正しい』と言うこのことは、
人々が人間の心の原点に立ち返り気付き
今迄自分自身が「正しい」(≒当たり前)
ことと考えていたこと、判断してきたこと
を見直した証でもあると思います。
私達日本人は、本来、優しく、正直、
誠実、謙虚、繊細であると言われ、
人との繋がりと調和=和を重んじ、
尊き日本精神の涵養である心の絆、
より良いものを作ろうとする向上心、
伝統的技術や文化を継承していくと
言った世界中から注目される独自の文化
と世界中から注目される道徳倫理の心と
態度を弁えた国民性を備えています。
今後の少子高齢化社会を生き抜くためにも
国民みんなが人として『正しい』判断意識
を持てるように道徳倫理観を見直しましょう。