💗こころの文化💗　　　　　　　　　　　　「唯一無二の日本のおもてなし」(１２) 　

実践－所作【心≒コトの表現・伝達】

日本の所作の美しさ

おもてなしの｢コト｣と言われている、
もてなす人の心、もてなされる側の
気持ち(≒心)を表し伝える様子である
＝作法・形・仕草を＜所作＞と言います。
これをマナーであると間違えて受止め
所作のみを教えるマナー教師もおります。

この所作と言われることは、
日本の文化、礼儀作法と深く関わります。

この所作は、先ず基本を会得し、
夫々の個性を生かすことが大切です。
また、その場その時の状況
(食事の際・芸術鑑賞・茶道華道・相撲など)
に応じ、主客共に様々な所作とされる
(作法・礼法・マナー・心得)があります。

所作 は、リアルに目に映る表面上の
形だけに限らずその人の心(≒コト)を
表し伝えるだと認識することです。

そしてそれは、日本独自の心である文化や
侘び錆びを表すとも言われています。

🎌美しい日本の所作

江戸しぐさ

【江戸しぐさ】
　江戸時代に庶民が思いやりの心を以て
　気持ちよく暮らすための知恵。
　現代社会でも大切にしたいことです。

🔶江戸しぐさ－例

　　🔸時泥棒

江戸しぐさ－時泥棒

　　　(時間厳守、約束を守ること。
　　　また、相手の都合を無視して、
　　　突然押しかけて勝手に時間を奪う行為)

　　🔸傘かしげ

江戸しぐさ－傘かしげ

　　　(傘をさしている相手とすれ違う時、
　　　反対側に傘を傾けて雨などの
　　　雫が相手にかからないようにする)

　　🔸肩引き

江戸しぐさ－片引き

　　　(人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩く)　　　

　　🔸七三の道

江戸しぐさ－七三の道

　　　(道路の真ん中を歩かず、
　　　自分の歩くのは道の三割程にし、
　　　残りの7割は他の人ために空けておく)

🟡その他の所作

【何気なく、さり気なく】
　　或る時は目立たぬように何気なく、
　　或る時は、表立ってさり気なく。

【陰になり日向になり】
　人に知られないような面にでも、
　また表立った面においても、
　何かにつけて絶えず、陰に陽に。

≒【陰に陽に】
　目に映らぬよう秘密裏に行ったり、
　陽に当たるよう公然と行ったりする様。

📖所作の語彙

「行いや立ち振る舞い」
「着物を着た時の正しい所作を覚える」
　＝身のこなし方や修得技術を指す
「身のこなしや仕草」
「彼の所作の一つ一つが美しい」
　＝単純に行動や仕草を示す言葉で使われる、
📚所作の英訳
＜出典コトバの意味辞典＞
「所作」を表す英語は
「動作」を意味する"action"、
「立ち振る舞い」の意味の"behavior"、
「身振りや物腰」を意味する"movement"
　があります。

例えば”the action of kabuki"
（歌舞伎の所作）という風に
「俳優や運動選手などの動作」や
「演技の動き」と言う意味では
"action"が当てはまります。
"I learned proper behavior at a tea ceremony"
(私は茶席での正しい所作を学んだ)
という風に、礼儀作法を含んだ
「身のこなし」や「立ち振る舞い」
の意味では"behavior"を使えます。

💕心の表現

日本ブランド｢おもてなし｣の心
先年、富士山が世界文化遺産、
そして和食が日本独自の食文化として
世界無形文化遺産に登録されました。

そのこの和食と茶道は、
「おもてなし」を表わすそのものです。

また、東京オリンピック誘致で
滝川クリステルさんが使って以来
数多くの話題になっています。

その時のスピーチで
「お・も・て・な・し」と
言った後に手を合わす姿に日本の心
が如実に表れていると思われます。

その心を現した仕草(≒所作)が
意外と注目されていないようです。

オリンピックが決まった後、
商品紹介でよく見かける、
「お・も・て・な・し」
の語があります。

でも残念なことは、その記事に
殆んど記されていないのが
おもてなしの心の解説＝｢心｣
が伴っていると言うことです。

即ち、人の顔と同様に心が現れ、
どれ一つとして同じものが無い
と言う大切なおもてなしの本質に
ついて書かれていないことです。

おもてなしの語源は、
「もてなし」に、
美化語の「お」を付け
「おもてなし」と言い表されます。
この「もてなし」は、
『持て成す(為す)』、或は
『以って成す(為す)』と書きます。

そして、「もてなす」の語彙には、
「コト」と表現される
バーチャルなもてなす人の『心』
「モノ」と言い表されるリアルで
目に映るもてなす『物』の意が
含まれておりそのことから
「モノとコト」が表裏一体と
解され｢表無し｣と言われます。

以下、私見を含めて
「おもてなし」について記します。

以下は、オリンピック誘致前に
大阪マツダ様に寄稿した内容。

おもてなしの解説文

この解説文は誘致後、PMAJ
日本プロジェクトマネージメント
協会の記事にも載りました。

さて、おもてなしの【原点】は、
思い遣りの心にあると言われます。
私も全く同感です。

この「思いやり」は「思い遣り」
とも書かれ、思いを遣わす
(届ける・送る)の意を表しています。

即ち、「思いを以て、遣りと成す」
＝自らの思いがありそれを相手に
届けることを成す、と解せます。

また、リアルな「モノ」を以て(持って)
バーチャルな心＝「コト」を成す(為す)
言い換えれば、物である商品や贈答品に
思い遣りの心を込める※1.と言うこと、
或は、バーチャルな心「コト」＝体験
を以て(持って) リアルな形のある物
｢モノ｣を届ける行動を成すことの意です。

それは、文化財や商品などに、
その作った人の様々な思いや心、
魂を込めてリアルで心の
現れる物を創り出す※２.とも解せます。

例えば、前者は※１.、
盆暮れの贈答品に贈り主の感謝の心を
込めるということを表わすことであり、
後者は※２.、素晴らしい仏像や美術品
を見て、心を動かされ、感動や余韻が
心に生まれるのは目に映るリアルな
｢モノ｣に制作者の心や魂が乗り移って
いるからであると言うことです。

また、料理に調理人の思いや心を
現すと言うことも当て嵌まります。

「おもてなし」は、
もてなす側ともてなされる側の
両者の心の触合い、通い合い無し
では成立せず存在もしないのです。

同時に、
日本の「おもてなし」自体は、
決して商品ではありません。

言い換えれば、
おもてなしは「物」を如何にして
「楽しむか」と言うプロセスを
表わす言葉であると言えるのです。

私達日本人が世界に誇れる
唯一無二の素晴らしいこころの文化
「おもてなし」をもっと大切に致しましょう。
まとめると前者※１.は、
感謝の心を込めるということを
表わすことであり、後者※２.は、
素晴らしい仏像や美術品を見て、
心を動かされ、感動や余韻の心
が含まれることを表すのです。
また、料理に調理人の思いや心を
現すと言うことも当て嵌まります。

このように日本のこころの文化
「おもてなし」では、もてなす側と
もてなされる側のお互いの心の
通い合い無しでは存在しません。
同時に、日本の「おもてなし」
自体は決して商品になり得ません。

言い換えれば、
おもてなしは「物」を如何にして
「楽しむか」と言うプロセスを
表わす言葉と言えるのです。

私達日本人が、世界に誇れる
素晴らしい文化「おもてなし」を
大切に発信して行きましょう。