出発の朝
大きなスーツケースを引きずりながら
けれど足は無意識にいつもの道を選び
気づけば私は
いつもの職場へ向かう電車に乗っていた
仕事に没頭しすぎた3ヶ月間
英語の勉強、学会発表、講演、研究の立ち上げ
どれほど頑張ってきたのだろう
すべてはこの旅の準備のはずだったのに
走り続けた日々に、未来の旅は遠くに霞んで
旅に向かう心は、どこかで置き去りになっていた
「違う」
と気づいたのは、次の駅の手前
空港とは逆の方向へ走る電車の中
焦る必要はない
私はこの3ヶ月の自分を振り返る
けなげに、可愛らしく、頑張った私
その姿を静かに抱きしめて、褒めてあげる
さあ、こんな旅の始まり
未知の冒険が、私を待っている