どうしたら新人が本音で話してくれるか【共感型リーダーシップ】
最近、全く兆候がないにもかかわらず、急に辞める新人、若手社員のことを耳にします。
新人といえども採用や育成に関する手間やコストを考えると、辞められては困ります。上司や人事としては、出来る限り問題の目を早期に摘むために、本音を話してもらいたいですよね。
とはいえ、コロナ禍で、飲みの場や交流の機会はほとんどなくなってしまい、本音を聞き出すハードルが一気に上がりました。
先日実施したIT企業での管理職研修でのできごと。受講者の方からこんんな悩みが寄せられました。
うちのチームに配属になった新人。定期的に1 on 1を行っています。本音を話してくれているかどうか心配です。「本音で話して」と繰り返し言っていますが、どうしたらいいでしょうか?
では、どうしたら新人が本音を話してくれるのか。リアルの新入社員に聞いたヒントをお伝えします。
私が付き合いのある急成長中のベンチャー企業があります。今年度新人2名を採用しました。意欲もコミュニケーション力も高く、今後の成長が楽しみでした。
その新人一人とたまたま会う機会がありました。その会話の中で、
「実は同期の○○、辞めたんですよ」
と言われ、びっくりしました。私が会ったときは、元気そうで、会社でやりたいことなど話しており、全く兆候はありませんでした。
辞めた理由をたずねると、
もともとやりたかった海外での仕事にチャレンジしたいということです。
でも、本人は会社に本当の理由は伝えていないと思います。
とのことでした。
私から、ではどうしたら、新人として本音をマネージャーに伝えてくれるようになるんだろうね、とたずねると
それは、マネージャーが本音を繰り返し言ってくれることですね。たとえば、会社に対するグチとか不満とか、言ってくれれば、自分も本音を出していいのかなと感じます。
とのことでした。
一方的に本音を開示することを求めても、なかなか新人としては、こんなこと話したら怒られるのではないか、評価下げられるのではないか、と不安になるのは当然です。
まずは、マネージャー自身が本音を開示する。特に大事なのは、不安やネガティブな感情
それも一度きりではなく、継続的に行うことで、初めて新人から自己開示をするようになるのだと思います。
私自身、研修講師として、人事の方から「結構、受講者の本音を引き出してくださいましたね」と言われることがあります。
私自身、自己開示は相当行います。例えば
・時間に厳しい鉄道会社でありながら、遅刻を3回して処分されたこと
・心底やりたかった新規サービスの提案を、周囲巻き込めず投げ出したこと
・妻から、マヨネーズのふたを、ちゃんと閉めていないと怒られること
それが、受講者の本音を引き出すことに役に立っているのではないかと感じています。
相手に本音を求める前に、自分は本音を伝えているだろうか
問い掛けて頂きたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?