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VUCAの時代にだからこそ必要なこと

 まだまだ日中は日差しが厳しいですが、ようやく朝晩、過ごしやすくなりましたね
 そんな秋を感じさせる今日この頃、こんなニュースが舞い込んできました

 社会全体に女性活躍と叫ばれていた頃、競馬界ではまだまだ男性社会であった時に、救世主の如くデビューした藤田菜七子騎手
 2013年に女性騎手が引退して以降、藤田菜七子騎手がデビューする2016年まで女性騎手が不在だったそうです
 藤田菜七子騎手はそれまでの女性騎手が成しえなかった重賞制覇や、一定の条件を充した騎手だけに出走権を与えられたG1(重賞の中でも最も格があり、賞金も多いレース)に女性初で出場するなど、女性活躍と縁の遠いJRAにおいて、華々しく活躍してくれていました
 容姿端麗でもあるため、テレビの出演も多数あり、また写真集も発売するなど、JRA以外の活動も幅広くされていました
 プライベートでは去る7月に結婚をなされ、騎手として引退をしないと公言したいたものの、この問題の責任を取る形で引退が発表されました

 中央だけでなく、地方競馬にも積極的に騎乗されており、低迷期にあった競馬界を盛り上げてくれた第一人者であることに違いないです
 ”Pro Bono さの”は以前、競馬にハマっていたこともあるのですが、彼女がデビューする前に競馬から離れていたので、実際の騎乗する姿は動画などでしかみたことはありませんが、これほど話題になる騎手は数少ないため、とても残念です
 今回のnoteは、この藤田菜七子騎手の引退から感じる「生きづらさ」について書かせていただきます

藤田菜七子騎手(Pinterestより引用)

V UCAブーカ時代で生きるということ

 藤田菜七子騎手のお話をする前に、いまの時代について少しお話をさせていただきます
 子育てをしやすい国として有名なフィンランドですが、2010年以降少子化が続いているそうで、最近では日本と同じく出生しゅっしょう率は1.26だそうです
 子どもを持つことに対する価値観の変化が指摘されていますが、その背景には「将来への不安」が子どもを持つことを諦める一因になっているとも指摘されています

 いまの世の中、国家・地域間の経済紛争、新型コロナウイルス感染拡大、日々更新されるITやバイオの最新技術の出現、さらには災害級の大雨や大規模地震などの自然災害の発生など、さまざまな物事が目まぐるしく変化し、先行き不透明な時代に突入してきています
 こういう時代をいま「VUCA」と呼ばれています
 「VUCA」とは

Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をとった造語
その意味は“社会環境・ビジネス環境の複雑性が増大する中で、想定外のことが起きたり、将来の予測が困難だったりする、不確実な状態”を指す

株式会社野村総合研究所HPより引用編集

 このような不確実な状態「VUCA」の時代に生まれ育っているため、過去の経験や制度だけでやっていけるほど甘くはない時代になってきているみたいです

「VUCA」という時代で生きていることを理解しないといけません

■「前例踏襲ぜんれいとうしゅう」では成り立たない時代

 昭和平成で築き上げてきたシステムは、令和の時代になって、特にコロナ禍を経験したことによって大きく変化しようとしてきています
 その代表的な例として、リモートワークが進んできたことです
 コロナ禍前まで当然如く職場に出社が当たり前でしたが、感染予防の一環で推奨された出社の抑制により、通信環境が整備され、出社だけでなく、社外打合せも相手方の職場までいく必要がなくなったことから、場所や時間の制約もなく仕事ができるようになりました
 その一方で、Amazonのように効率性の低下の懸念からリモートワークを廃止すると発表され、今後、また元の出社という形式に戻る可能性もありますが•••

 話を戻しますが、令和の時代になってから、今まで「当たり前」と思っていたことがことごとく「当たり前」ではなくなってきて、その都度、試行錯誤しながら新しいシステムを構築しています
 トッド・ローズ、オギ・オーガスの共著「Dark Horse」という本の中で、高校中隊のシングルマザーが新惑星を発見したという事例を紹介しています

 新惑星を発見するとなると、天文学の知識がなければできなさそうなイメージですが、いろんなハードルはあったものの、興味と充足感でやり遂げたという内容ですが、従来であれば考えられないことです
 逆に言えば、「VUCA」の時代だからこそ、こういうことが当たり前になってきつつあるのかなとも感じます
 前例踏襲では成り立たない、それが「VUCA」の時代なのかもしれません

新惑星を発見したJenni McCormick氏(Xより引用 @amercinema)

■藤田菜七子騎手の引退から考える「生きづらさ」

 JRAは国の農林水産省が管轄している特殊法人ということを考えると、スマートフォンを機種の調整ルームに持ち込んで外部とのやり取りをすることは正当性に反するという立場は理解できます
 また以前の調査時に申告したことが虚偽であったことも問題があるということも否定はしません
 しかしながら、それまで女性活躍とは程遠かった頃の競馬界を支えただけでなく、男性社会の中にうら若き18歳の乙女がたった一人で立ち向かったということ、また他の業界でも問題視されているハラスメント的なことも多少なりともあったと思われますが、それでも競馬会を盛り上げるために色々と頑張ってきたことなどを考えるともう少し配慮も必要なのではと思います
 また、藤田菜七子騎手がデビューした頃にはFAXの普及台数を抜き、若い世代を中心に通信手段として当たり前である「スマートフォン」の利用が、外部との連絡を阻止する目的にはなっているものの、特に明文化されていないことが誤解を招く一因にもなっています
 この藤田菜七子騎手の問題以前にも同じように処分されている若手騎手が何人もいたにも関わらず、JRA側が特になんの手立てもせず放置していたことも大きな問題ではないかと思います
 今回も悪評高き著名人たちの揚げ足をとって儲ける週刊誌によって取り沙汰されたことから、さらに大きな問題に発展し、結局のところ、藤田菜七子騎手は引退に追い込まれてしまいました
 引退届を書き終えた後、藤田菜七子騎手は大泣きしたそうです

 その涙は何を意味するのか推測でしかありませんが、競馬への愛と、不本意で辞めざるを得ない悔しさなのかなと勝手に思っています
 人の揚げ足をとってまで売り上げを伸ばして儲ける週刊誌は人ととしてもどうなのかとも思いますし、かなり問題があると思っています
 ともかく、既存のできあがったシステムに人を合わせるのではなく、人にシステムを合わせていく工夫が必要なんだろうなと感じます
 そして何でもかんでも制約を受けるのではなく、世の中でもっと自由にでき、それができる環境にであること、それが「VUCA」の時代に生き抜く最低限必要なことだと思います

「VUCA」の時代に必要なことは自由にでき、それをできる環境にあることです

※参考にした文献


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