【プリズンライターズ】わかりやすい投資のハナシVol.5/銀行の休眠口座について (受刑者編)
前回までFXや株をメインに投資について大事なポイントを解説しましたが、人によって性格が異なり、同じやり方でも人によっては向き不向きがあります。どんな人でも最初から失敗しない人はいません。自分に合ったやり方を試しながら、時に失敗をしながら投資とはどういう物か?を知り、成功へと近づけるのです。
この時、少しの失敗で済ませれば、何度でも次のやり方にトライできます。
しかし、大きな失敗をすれば再起できなくなったり、トラウマを抱えて次へ進めなくなるので、必ず自分で損切りのルールを決めて大きな失敗をしないようにする事が大切です。
また、やり方である投資手法が常に万能とは限りません。
トレンドに強い手法やレンジ相場強い手法など様々ですが、相場にはトレンドとレンジの2種類に分かれているので、それぞれに強い手法を最低1つずつ持っていれば、相場に合った手法を使い分ければ良いのです。
FXにしても株にしても、自分の余裕資金でやり、仮に全て無くなっても再起できる範囲で投資をしましょう。
コツコツと少ない利益でも、時間がその利益を将来豊かな物にしてくれる投資は、早ければ早くやる程、将来の資産形成に大きな果実をもたらします。
年金では老後の生活資金としては全く足りません。年金をあてにせず、老後の資金を稼ぐには投資こそが一番の近道なのです。
私は、FXで自動売買で資金を稼ぎながら20%の税金を払うのを節税する為にiDeco(個人型確定拠出年金)に投資します。
iDecoは老後まで資金を引き出せませんが、職業によって積立金額は異なりますが(月12000円~68000円)、積立額が前金運用益は非課税で、かつ掛金が全額所得控除でき、受け取り時の税制優遇があるのです。
そして、更に上回る利益が上がってきたらNISAなどを使って株や投資信託にも資金を投じるつもりです。
今年、岸田首相は資産所得倍増プランとしてiDecoやNISAの拡充と恒久化を打ち出しました。これらを使わないともったいないと思います。
同時にインバウンドを期待できる出国条件の緩和を打ち出した今、この資産所得倍プランの内容によって良ければ、2023年から日本の株価も上昇する可能性が高く、インバウンドの復活は円安効果もあって日本の観光需要を押し上げ、日本経済が上向く事が考えられ、企業の賃上げが本格的に進めば更なる上昇も見込めると思っています。
2021年から2022年に掛けてFXをやっていた人達は大いに儲かった相場でした。
これは日本が金融緩和を維持する一方、インフレによる利上げを各国が進めた結果、日本の金利差が広がった為、円安が進んだからです。
こういうときは為替や株などの相場は大きく動きます。
投資を学び少しずつでも投資に資金を投じる事で、たとえ少しの利益でもコツコツ積み上げる事で、将来の資産は着実に増えていきます。
皆さんも投資を学んで、自分の武器にして、社会に復帰したときに実践して下さい。
投資を行う上で、損失を被る場合があることを認識し、自己責任で行って下さい。
この文章を掲載した内容はあくまでも紹介したものであって、利益を保障するものではありません。
また、いかなる損失が生じても責任は負いかねません。
銀行口座の休眠口座について
刑務所に長期刑で務めているとよくある困り事のひとつに、銀行口座が10年以上稼働していないと、休眠口座になってしまう事がある。
1度休眠扱いになると、名義人本人が銀行の窓口に直接行って手続きをしない限り、口座は復活しない。
幾ら預金があっても引き出せない。休眠にしない為には、10年以内に1度でも入出金をし、稼働した履歴を残すしかない。
ゆうちょ銀行は民営化前に開設した(私)の場合、休眠にはなっていなかったが、民営化後の開設は他の銀行と同様に気をつけた方が良い。
現在は10年以上、年金保険料を納付、又は免除していれば年金が貰え、口座振り込みにすれば、貯めておき必要な時に外の人に頼んで引き出せる。口座がないと、2か月に1度届く年金証書を郵便局へ持って行き、現金を受け取って貰う手間が掛かる。
新しく銀行口座を開設したくても、郵送で開設してくれる銀行は、現在は難しい。
代理人に頼んで開設するにも限られた銀行でしか開設できず、それなりのノウハウもいる。
また、身分証や印鑑、委任状を用意したり、通帳のみでキャッシュカードの受け取りも厳しいと聞く。
そもそも刑務所に居る人は、運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの身分証明すら持たない人も多く、健康保険証も受刑中は発行されない。期限が切れれば、持っていても使えない。
免許にしても失効して3年以内の更新という特定失効者の更新となり、失効から2年~3年は、失効中として身分証明にも使えない。
更に政府はマイナンバーカードを普及させるべく、保険証と一体化させ、次には運転免許証とも一体化させると言っている。
運転免許証の更新を刑務所で更新する時に、マイナンバーカードと一体化して取得できるようになるのかは、2025年頃にならないと判らないが、政府は2026年頃から銀行や証券会社、携帯電話の契約などの際、今までは運転免許証や保険証などの身分証明でできたが、マイナンバーカードのみにすると報道された。
現在、マイナンバーカードを作る為に、刑務所では写真撮影をして貰えないので、運転免許証を更新した後や、職業訓練で取得した顔写真付きの資格証明で作る事は可能だが、これも複数の身分証と代理人に頼むなど、手間が掛かる。
マイナンバーカードは郵送、又はネットから申請し、1か月程でハガキが届き、署名、暗証番号を記入し、必要書類を窓口へ持って行き交付されるので、最短で1か月以上を要する。
こうなると、出所後に家を借りる必要がある人や、携帯電話の契約などにも支障がある。
賃貸住宅にしても、身分証明、印鑑、収入証明、住民票の他、連帯保証人などが必要で、保証人がいない場合、保証会社との契約が必須となる。UR都市機構は、保証人は不要ではあるが、住民票、本人確認書類、印鑑及び印鑑証明書(顔写真付き身分証明書の提示で不要)、収入等を証明する書類が必要で、収入によって入居できる家賃の基準がある。
収入以外は、貯蓄基準の残高証明書の提示(月額家賃の100倍以上、家賃6万なら600万円以上)か、家賃等の一時払い制度(1年単位で最長10年)を利用する事で入居できるが、URはちと高い。
ちなみに都営住宅の表参道の家賃6万2000円物件には、応募者が殺到したとか。そりゃ人気になりますわな、この家賃じゃ。
クレジットカードを作りたくても作れない人は、デビットカードが良い。銀行口座から引き落とすので、審査も不要でクレジットカードのようにお店で使えるし、今は色々な会社から発行されていて、ポイントが付与されるのも多い。
有名なのはソニーバンクやJALのウォレットと呼ばれるタイプ。他にタカシマヤもある。
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