近い将来に地球外生命が見つかる可能性の高いエウロパとガニメデ!!
こんにちは。今回は宇宙ネタです。
前回、「日本初月面着陸!! なぜ今各国は月着陸を目指すのかなどについて分かりやすく解説!!!」の記事では、主に月と火星を話題にしました。
ただ、残念ながら、月や火星には、今のところ、地球外生命存在の可能性は低いと言われています。
現在、太陽系内で最も地球外生命存在の可能性が高いのは、実は木星の衛星なのです。
特に、木星を回る大小95個もある衛星の中で、最大の4つの衛星
・イオ
・エウロパ
・ガニメデ
・カリスト
のうち、表面が厚い氷で覆われた「氷衛星」である
・エウロパ
・ガニメデ
・カリスト
には、地下に海があるのでは、と考えられています。
一般的に、生命を育むには液体の水、有機物、エネルギーの3要素が必要と言われています。
この3要素があれば、その星には生命が存在する可能性が非常に高いのです。
したがって、まずはその星に液体の水があるかどうかが最初の鍵となります。
先日、朝日新聞に次のようなニュースが掲載されていました。
「エウロパ、氷の厚さは20キロ 生命探索、手がかり期待」
米パデュー大学の脇田茂研究員らが国立天文台のコンピューターでエウロパの表面に2つある「多重リング盆地」と呼ばれる大きなクレーターに注目し、この盆地ができるような天体の衝突をコンピューターでシミュレーションしたということです。
その結果、こうした「多重リング盆地」が形成されるには、氷殻に20キロ以上の厚みが必要であることがわかったそうです。
脇田さんは「氷殻の表面から海底の岩石層までの距離がわかれば、氷殻の厚さを差し引くことで相対的に海の深さがわかる。生命が住める環境なのかどうかを判断できるかもしれない」とコメントしているそうです。
このニュースのように、木星の衛星エウロパについては現在、NASAも木星探査機「ジュノー」の観測データによって、さまざまな解析を行なっているようです。
たとえば、今年3月にこんなニュースがありました。
「木星の衛星「エウロパ」、1日に1000トンの酸素を生成…生命の神秘に一歩前進」(YAHOOニュース)
エウロパで生成される酸素は、地球のシステムとは異なり、宇宙から飛んできた荷電粒子が氷の表面層に衝突することで、水の分子を水素分子と酸素分子に分解するプロセスでできたものだそうです。
そして、そのうちのいくらかが氷を突き抜けて、地下の海の中に入るのではと推測されています。
そして、今年2024年10月にNASAは木星の衛星エウロパを専用に探査するための衛星探査機、その名も「エウロパ・クリッパー」を打ち上げる予定だそうです。この「エウロパ・クリッパー」は2030年にエウロパに到達して、いよいよ本格的に生命体の存在に適した条件を兼ね備えているかを確認していく予定です。
ちなみに、この「エウロパ・クリッパー」に搭載する金属プレートにNASAが水という言葉の波形や「あなたの名前をエウロパに送ろう!」というキャンペーンで、世界中から集まった名前を電子ビームで印字されたマイクロチップを付けており、話題になっています。
楽しみですね。
また、これに負けていないのがヨーローパです。欧州宇宙機関(ESA)は今年、2024年4月14日に「ジュース(JUICE)」という探査機を打ち上げました。この「ジュース(JUICE)」はESAにとって初の木星系衛星の探査機なのです。
「ジュース(JUICE)」は2031年に木星の周回軌道に達する予定です。そして、木星自体の大気や磁気圏を観測した後、ガニメデ、エウロパ、カリストの3つの衛星を探査するのだそうです。
こちらも楽しみです。
ちなみに、この「ジュース(JUICE)」に、日本のJAXAは観測機器の開発で参加しています。
さて、地球外生命体発見の第一候補地はこのエウロパですが、同じ木星の衛星ガニメデも有力だそうです。同じように氷殻に覆われており、地下に液体の海があるのではと言われています。
さらには、このガニメデには他の衛星にない特徴があります。それは星の内部に磁場を持っている、ということです。
地球や木星のような惑星には大きな磁場がありますが、衛星では珍しいとのことです。なぜ磁場があり、どのような働きをしているのかも今回のミッションで解析されることと思います。
ちなみに、ガニメデと聞くと、ジェイムズ・P・ホーガンの有名なSF小説である「星を継ぐもの」を思い出します。この中では、木星の衛星ガニメデの氷殻の中に、地球のものではない巨大な宇宙船の残骸が発見されるのです。その宇宙船は2500万年前のものでした。
木星の衛星エウロパ、ガニメデにはロマンがありますね。