『ニキ』を読んで思うこと|どんな性癖を持つ変態でも他人に迷惑をかけなければ問題ないかもという話💖
これまでに経験のない強烈なタイトルにしてしまった💦
『ニキ』は、2019年ポプラ社小説新人賞を受賞作品だけあって凄い作品。発達障害を抱えるイタイ高校生とロリコン変態を隠すヤバイ先生の生きにくい世の中を自分らしく必死で生きているという壮大な物語。
表現の自由もあるけれど、小説としても扱いにくいセンシティブな内容をうまく描いた破格の超大作。
この記事は、「#読書の秋2020」の応募作品です。
✅登場人物
広一は、周囲から「変なヤツ」扱いされる発達障害を持つ男子高校生。何か話すたびに困惑されたり失笑されたりするが、自分では何がおかしいのかわからない。普通じゃない自分に劣等感を抱きつつも、今の自分のままでいたいと願っている。
良平は広一の担任で美術教師。穏やかな好人物として生徒からの人気も高いが、実はどうしても大人の女性を好きになれない小児性愛者(ロリータコンプレックス 略:ロリコン)であり、エロ漫画を描いている。
✅あらすじ
男子高生の広一は、教師の良平がロリコンでエロ漫画を描いているという秘密を知った。生きづらさを感じていた広一は「この人も普通じゃない。この人なら自分をわかってくれるんじゃないか」という思いから、上手く生きている良平と同じ方法をとればいいと考え、手本にするようなった。
自分がロリコン変態という性的指向をクローズにして生きる良平と、コミュニケーションがうまく取れない発達障害を持つ広一には共通したものがある。良平の性癖をオープンにされたことから考えさせられる、生きにくい社会へメッセージ溢れる長編小説。
✅著者
著者は夏木志朋(なつき・しほ)1989年大阪府生まれ。15年から大阪文学学校に通い始め、19年に自身初の長編小説『ニキ』で第9回ポプラ社小説新人賞受賞。
男子高校生の性欲を表現する描写が、30代女性の新人作家とは思えないほどリアリティでとても驚いた。
勃起、金玉、シコる、エロ本をトイレで使う、アダルトビデオで抜く...
このあたりもこの作品を惹きつけている大きな魅力の一つだと感じる。私としては読み返すにも勇気がいるほど、随所に表現が溢れている。
✅私の感じたこと
私の感じたこととしては、ロリコンは性的マイノリティの中でも、LGBTと違って相手との合意が成立しないもの。
先天性など生まれつきもあるけれど、これは一種の病気の領域で幼い子が被害に会ってしまう犯罪者へ発展しそうな危険な人だと感じる。
『自分の大事な部分をクローゼットの中に隠して生きていく』と表現されているように、これはロリコンに限らずこういった変態的な性欲を持つ方は、あらゆる精神状態を自尊心でなんとかコントロールできている。
これは素晴らしいことで、自分の中の戒律を守る心が存在することは、あるる意味の自己愛だと思う。
でも、世の中には良平のように、ロリコンを隠して孤独を覚悟して生きている人は『人にバレたら人生がおしまい』という悩みを持つ人も多いと思う。
でも、人間の欲望はとても強い。いつ解放されるか分からない危険を秘めている。人によって程度は違うとは思うけれど、衝動を抑えられない人が世の中で事件を起こし犯罪者となってしまっているのは事実だと思う。
ロリコンが事件を起こすことよりも、被害に遭われる幼い子がいるというところが世間から偏見を持たれる大きな理由だと思う。
ロリコンを隠して生きるという決意は良平にとって強固だったが、自尊心を抑えきれないくらいになってしまうなら、どんな性癖を持つ変態でも、他人に迷惑をかけなければ問題ないかもと思う。
もちろん治療やリハビリ等で軽減できるのに越したことはないが、自分の気持ちを押さえつけて、年を重ねた時に爆発しないように、日頃から自分と向き合った方が良いのではないかと考える。
自分一人でもいいし、分かりあえて合意できる同士で発散したり、物や漫画・アニメで快楽を得られるなら、そういった生き方はむしろ自分を認めるためにもやった方がいいと考える。
もちろんそういった行為をオープンにすることで、今の社会では周囲から危険人物扱いとなってしまうが、決しては犯罪者ではないことを私たちは理解しておきたい。
この物語に結論はないが、社会とはなにか、苦しくて窒息しない自分らしい生き方とは何かという事を教えてもらえました。
ロリコン自体は犯罪ではない。
気持ちを抑え込んで苦しい人生を歩むより、自分自身と上手に付き合って適度に発散し、他人に迷惑をかけないように生きていくという選択肢もあると思う。
『自分をずっと好きでいられる生き方』が最も幸せな人生になるんだから💖
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