SF『安心』 SEASON 4. 2
事件後
ママは
怪我の傷を癒すというよりも
アップグレードしてしまった
身体に慣れるための
療養を生きていた
窓の外の海をみつめて
その間の光景を書き留めた
まだまだ幸せよりも
不幸がすこし好きな感覚が
どこか漂うような頃だったから
それなりに暗いかもしれないけれど
曇りの日の光が
晴れの日よりも
白く静かに爆発することを
魂が知っていて
宇宙がほんのすこし
プレゼント
してくれているような
メモをいつのまにか
いたずら書きのように
書いていた
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