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夏休みの読書感想文
お盆のある日、図書館にいくと、新刊コーナーの壁掛けの「マルタ騎士団」というタイトルが目に飛びこんできた。
足が勝手に迷わず、手にとる。
読むかはわからないが、『モディカ』にも載せたように、マルタのど真ん中も、木星LINEが通っているので、ベッドのかたわらに置いたりして、もしかしたらパラパラとめくる日もくるかもしれない。
心境がおおきいのだろうが、本を買って手元に置いてしまうと、いつでも読めるとおもって、まったく読まない場合が多い。
結構これまでの人生でも、多くの本の、タイトルと作家名だけを、いっぱい眺めてきた。
特に20代の頃は、古本屋カルチャーが大好きだった。
読まなくても、本屋をめぐっているだけで、あふれんばかりの情報のダウンロードだった。
神保町もよく行っていた。
あのあたりの、サボウルやラドリオなどの小さな喫茶店にいくのも、楽しくて仕方なかった。
いまはコロナで閉店したという、昔のキッチン南海も大好きだった。
図書館は、古本屋とは少し違って、返却期限があるから、とか、個人の古書店やセレクトショップなどより、趣味やセンスとは無関係に、各図書館独自の不思議なアルゴリズムがあったりして(歴代の所属した人によって入庫のセレクトが極端になっていたりもあって)、より嗜好の枠を外してくれて、解放感のなかで直感的な本に出会いやすい、とか、単純に「南国にある図書館」という甘い違和感に、トキメキやトロピカルを感じてしまっているのもあったり、だからか、読むのにスムーズにはいれる。
南国で本を読むって、なんかいい。
南にずっといて、海にも自然にもあきた頃に、読書の宇宙タイミングがUFOのように、あらわれた。
恩納村図書館5冊、読谷図書館10冊借りれるという大盤振舞いな感じも、1冊の本を買って最後までずっと読みつづけられない、何冊も同時に、並列でしか最後のページまで辿り着けないぼくには、このランダムに読める15冊同時のスタイルが、とても向いている。
『お皿あらい137』で書いた、お皿をつみあげる無限のアルゴリズムとも通じる。
1週間滞在した台風の影響が、本を読む習慣への大部分をしめているのは確かだとおもうが、近所に書店や古本屋がない、というのも手伝って、ネットでみつけるのとは違う、図書館という建物に出かけていく新鮮な気分も、とても今の心境にあっている。
この「マルタ騎士団」の本は、2023年6月10日に初版発行なので、本当につい最近の、夏至の月に、世にでたばかりの本だ。
この「領土なき独立国」というサブタイトルにも、自分自身のスタンスと、もつれてくる感じが、とても惹かれる。
しかも、目の前への本の現れ方が、恩納村図書館は独特で、おおきな窓の背後に、ヤシの木と青い海がひろがり、マルタと沖縄という、同じようなシチュエーションの島国バイブスも、なおさらシンクロし、輝きとオーラを発していたのかもしれない。
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