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【ライターの仕事】社長から聞いた体験と笑顔を心のお守りにしておく。

12月のはじめごろ、まとまったインタビューをするために工務店さんへ。

もう長く取材させていただいている会社さんですが、社長さんは非常に頭がキレるし回転も速い。当初は「ついていくのが精一杯」でした。

しかし、最近ちょっとテンポが掴めてきて「話すのが楽しい」感じに。

社長はお忙しいのでインタビュー全部に対応できず、最初の30分くらいでいなくなってしまうのですが。※残りは他のスタッフが対応。

でもその日、いつもより長く時間をとってくれた社長。

取材中に彼がポロッと口にした、「このあいだ大変な目にあった」というのがとても心に残りました。
※社長だけではなく、同席したスタッフさんの体験談も結構すごかったのですが。

例えば施主さんからのパワハラ、工事中の近隣住民からのクレーム(自治会に呼び出されて総攻撃を受ける)、施主さんからの辛辣なライン文面(あなたの発言で傷ついたなど)などなど、どれも「私が仕事でその対応を受けたら意気消沈して二度と浮上できない」と思えるものばかり。

ライターとしての納品先はほぼ企業のため、私はクライアントから「あなたの態度が気に入らない」などの対応をされることはほぼありません。
※もしかして態度が気に入られなかった場合、「二度と発注されない」結果になるだけ。

「家を作って売る」となるとクライアントとの付き合いは長いし、商品提供後も長期間のサポートが必要。それこそ数十年単位。

対応時間が長くなると、相手の嫌な面が見えてくる可能性も高くなります(お互いに)。

さらにBtoBの側面(ものすごい数の業者を使う)と、BtoC(家を建てる施主さん)の両面を併せ持つため、リスクとストレスが非常に大きい。

そんな話を聞いていたら、「普段、私がぶち当たる壁の低さ」に思いを馳せてしまいました。

外注として取材を発注してもらえるということは、それを頑張ってとってきた営業さんとか、企画を出して出版にこぎつけた編集者さんとか、ディレクターさんやデザイナーさんがいるわけで。

守られた世界で仕事をしているうちは、生ぬるい。


そしてこの日、最も印象的だったのは。

その壮絶な体験を、笑いながら雑談風に「このあいだ大変だったんだよね」と笑顔で話した社長の姿です。

笑って話せる強メンタルをどうやって手に入れるのか?

本当のところは第三者にはわからないので、実は一度傷ついて落ち込んで浮上した経緯があるのかもしれません。

が。

この日、話を一緒に聞いた営業さんと、「商談でシビアな局面にぶち当たっても、社長の笑顔を思えば頑張れる」という話になりました。

私はそこまで厳しいシーンに遭遇しないのですが(生ぬるい人生なので)。ただ、ちょっとだけつらいことがあっても、社長の笑顔を思い出すようにしています。

家の販売価格は数千万円、私の一回の取材費はせいぜい数万円(一冊まるごと作ったとしても到底及ばない)。

規模が違いすぎて比較するなという感じではありますが。

つらいこと、厳しい現実に対して「笑顔で乗り切る」という姿勢は、素敵だなと感じたので。


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ライター和田知子:CLANG CLANG クランクラン
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