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記事一覧

椿

椿

乙女の黒髪

艶やかしとり

スルスルするり

ツヤツヤつやり

乙女の眼差し

しめやかはらり

ホロホロほろり

シトシトしとり

椿油は要らんかね

蝶々

蝶々

ひらひらひら

ひらひらひら

黄色い蝶々は嬉しい知らせ

ひらひらひら

ひらひらひら

黄色い蝶々は嬉しい知らせ

ひらひらひら

ひらひらひら

私の分の嬉しい知らせ?

ふわり

ふわり

何の意味もなさない、ふわふわと気持ちの良いだけの音楽を、ただ聴き流していたいと思うときがある。

あの頃、君が「これはずっとだと疲れる」と言っていた意味が、なんとなくわかったような気がしているけど、今さらわかった言っても、君に話しかけることはできないんだね。

距離

距離

だんだん距離が縮まると

言葉が要らなくなるのだけれど

だんだんもっと伝えなきゃ

いけないことが出てくるね

要らないんだか要るんだか

言葉と距離は難しい

ひとり言

ひとり言

君は僕より僕に優しい。

君の愛はどこから溢れているんだろ?

困るなぁ。

僕は世界で一番僕に優しくありたいのに。

これじゃあ君に嫉妬することになるよ。

二十歳

二十歳

そう、いつかの絶望した少女は

まぎれもなくまだ同じ“今”にうなだれたままで

あの絶望にきっと今でも簡単に帰れてしまう

少し大人になったつもりの少女は

今、深く息を吸い

あの少女をいとおしく抱き締める

青

上品な人が好き。

そんなこと知らなかったよ。

私は私をよく知らない。

君の表に現れている

抑制の効いた青い空気は

ひょっとしたら作り物なのかもしれない。

それでもいいと思ったよ。

愛のある嘘に溺れていたい。

嘘もまやかしも愛の魔法。

繰り返す場面切り取って

青の魔法に溺れて眠る。

まどろみの世界

まどろみの世界

まどろむまどろみまどろまぬ

ただただ浸っていたいんだ

今はなんにも入ってくるな

まどろむまどろみまどろまぬ

うっすら見えたシルエット

残像何度も繰り返す

重心が低い君の声

まどろむまどろみまどろまぬ

20201105

20201105

言葉が浮かばないんだよ

「なんか喋ってよ」

君は言う

暖かくって穏やかで

そこになんにも要らなくて

「なんか喋ってよ」

君は言う

言葉が浮かばないんだよ

これを安堵と呼べばいい?

ドーナツ

ドーナツ

甘いドーナツ一緒に食べよ

朝の頭は回らないから

甘いドーナツ一緒に食べよ

まだまだ体はあったまらない

熱いコーヒー入れたげるから

甘いドーナツ一緒に食べよ

月夜

月夜

はらはらと

唐突に

風のように現れては消える

あなたの名は何だった?

後に甘い余韻を残して。

耳鳴り

耳鳴り

今日はやけに耳につく。

暗がりで光る冷蔵庫の音。

隣の部屋の時計の秒針。

あの日の君の真面目な話。

火

この炎の向こう側にいるはずの

あなたが幻でもかまわない。

宇宙を燃やし尽くすほどの

私の命の灯を

どうか絶やさないように

消さないように。

ハート

ハート

子どもの頃、心が取り外せたらいいのにと、切に願ったことがあった。この苦しい気持ちさえ感じなければ、もっと楽に生きられるのにと。

でもどうだろう?

この深みがなかったら、この人生はカラッカラだ。

痛みながら綻びながら、矛盾を重ね合わせながら、複雑に、より繊細に美しさを増す、

我が命よ。