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広まれ!バースドゥーラ

バースドゥーラ、出産ドゥーラをご存知ですか?

出産後の家庭に赴いて新米ママの家事や育児をサポートする「産後ドゥーラ」はここ数年で日本でも認知がされてきて自治体によっては社会的産後サポートとして利用すると助成金が出ることもあるそうですが、それと違う「出産ドゥーラ」というのも存在するのです。バースドゥーラともいう(日本語か英語かの違い)。

バースドゥーラとは、とっても簡単にいうと出産に立ち会ってママの身体的心理的サポートをする人のこと。ほとんどの分娩が自宅でされていた頃お産があるとお産婆さんの他にも近所から経験者たちが集まってきて助けた時代がありますが、その役を現代版に修正してトレーニングを受けた人がバースドゥーラになると考えてもらえば概ね合っているかと。

なぜドゥーラを広めたいか

私自身は出産を3度経験したんですが、その中でも初めての時は心細いとまではいかないものの、もう少しうまくやれたんじゃないのと感じそこからリベンジしたくてマイ・ベスト出産を模索し始めることに。2人目を産んだ後受けたマタニティヨガのトレーニング(私はヨガインストラクターもしているのです)の講師がドゥーラだったことでバースドゥーラの存在を知ったのです。話を聞けば聞くほど素晴らしかった。これだ。私が産むときにもドゥーラがいたら良かったのに!!

いま日本ではバースドゥーラはほとんどといっていいほど認知されていません。前述のヨガの先生はオーストラリアで活動されている方でした。私が産む前にドゥーラの情報に辿り着かなかったように、今のままではこれから日本で産む人たちもドゥーラの存在を知ることはありません。そんなのもったいない。ドゥーラのいる出産が選択できる世の中になってほしい。

バースドゥーラとして活動すること、そして出産を控えた人がサポーターとしてバースドゥーラを選択できる世の中にすることが私の夢のひとつで、まずはバースドゥーラの認知が広まるといいなと思っているので紹介します。

あなたのお産にドゥーラが必要なわけ

突然ですがたとえ話をします。
たとえば、あなたが何か新しい趣味にチャレンジしたいなと思う時。
ピアノを弾きたい、テニスうまくなりたい、筋トレで効果を出したいと思った時、はじめからノーヒントでひとりで黙々と取り組むことに楽しみを見出す人もいますが、多くの人はとっかかりに「誰か詳しい人に教えてほしい」と考えますよね。
「この本から始めるといいよ」と導いてもらったり、できればピアノを弾いているとなりで具体的なアドバイスをもらったり、いいところを褒めてもらったりすれば安心して楽しく始められるという方が多いと思います。

出産も同じと考えてみてください。

知識なくひとりで初めての出産本番に臨むのは、ジムでマシンの使い方を教わらずに突然めちゃ重いダンベルをあげないといけないような状況と同じです。しかも「今日はこの辺で…」っていうのは出産にはないので、産むまで終われません。この状況にワクワクできるのは孫悟空的な資質を持った人でしょう。
出産は人生に数回あるかないかの体験なので一回の経験が非常に重みを持ちます。「何回も挑戦できるからはじめは失敗しても仕方ないだろう」と安易に取り組める性質のものではない。一回一回が大事だからこそ、なおさら隣でコーチみたいに支えてくれる人がいたら心強いですよね。
その隣で支えるコーチの役を担うのがドゥーラです

助産師との違い

病院の人たちがいてくれるんじゃないの?と思ったそこのあなた。
それがね、、病院の看護師さんや助産師さんは多くの場合あなた専属ではないんです。出産は時間がかかるものですから「待ち」がかなりあります。
あなたの様子を見ながら同時に進んでいる他のお産だったり入院中の産後のお母さん、あるいは分娩以外の入院患者さんの看護もしているわけで、ときどき覗きに来ては、経過に異常があるなど特別必要そうでなければ「何かあったらナースコールで呼んでくださいね」と離れてしまうんです。ドクターも分娩の進行が順調であればたいていいちばん最後に登場するだけです。そりゃそうかぁと一般論として理解できてもいざ自分が出産中なのに置いていかれる立場になると心細いもの。

立ち会いに来てくれる旦那さんやお母さんがいない状況であればひとりぼっち。いてくれたとして、お母さんは経験者かもしれないけど、旦那さんはあなたが初めての出産であれば、立ち会うのも初めてでしょう。初心者マークでふたりぼっちです。

そこにドゥーラがいれば。
ドゥーラは出産が終わるまで産婦さんの隣を離れることはありません。
陣痛中に楽になるような体位を提案したり、産婦さんの身体と心の頑張りを肯定し、励まし、その出産体験が家族にとってポジディブなものになるよう支えます。また、産婦さんが安心するということは分娩時に必要なホルモンの適切な分泌にも繋がります。守られていると感じリラックスできているとお産がぐんぐん進むのです。その結果不要な医療介入を減らすという研究もされています。

ドクターや看護師、助産師などの医療スタッフが分娩時の異常に備えているのに対し、ドゥーラは出産体験をよりよいものにするために存在します。安全に分娩が終わることが大前提ですが、医療的に必要十分な介助だけでは必ずしも叶わない「心が満たされたお産」に向けてママたちを支援するのがドゥーラの存在です。

バースドゥーラってなにするの?

バースドゥーラはこんな形でサポートします(ドゥーラシップジャパンHPより)

ドゥーラはします:
・妊婦さん・ご家族の精神的・身体的なサポートをします
・根拠(エビデンス)に基づいた情報を提供します
・医師・スタッフと妊婦さん・ご家族のコミュニケーション向上に努めます

ドゥーラはしません:
・医療行為(血圧測定、体温測定、胎児心音測定、内診等)
・医療行為に対する意見を述べること

ただどんな時にも、妊婦さん・ご家族のそばについて必要なサポートをします。

北米での例を参考にすると、出産当日のサポートだけでなく、事前に面談を行いバースプランについて話し合うなど信頼関係を築いてから当日に臨むというプランが多いようです。が、出産のために入院して初めて会うドゥーラでも効果はきちんと出るとのこと。

ドゥーラがいるとどんないいことがある?

そう、「心が満たされる」だけじゃなくて、効果があるんです。米国最大のドゥーラ養成機関であるDONA Internationalが協力したドゥーラ研究などによりエビデンスが出ています。(参考文献は記事の一番下に載せています)

・ 産婦さんが満足行くお産ができたと感じられる傾向がある
・母乳育児が成功しやすい
・パートナーとの関係が良くなる
・赤ちゃんへの愛着が増す傾向がある
・虐待が起きにくい
・産後鬱になりにくい

ドゥーラが産婦さんを守り支え本来の力を発揮させる環境を整えることにより、医療介入を減らす効果もあります。

・分娩時間の短縮
・帝王切開率の低下
・陣痛促進剤や痛み止めの薬の使用率の低下
・会陰切開や鉗子・吸引分娩などのパーセンテージの低下

ドゥーラ(のように継続的に出産を支援する人)がいればこのような効果が出て、かつドゥーラがいることによる害は認められないという結果が出ています。薬であれば効果の裏に必ず副作用(デメリット)というのが存在しますが、ドゥーラにはそれがない=産婦さんにとってメリットしかないということです。

ドゥーラはどう探したらいいの?

いいじゃん、ドゥーラ!自分のお産にもいてほしいと思ったそこのあなた。

私も思いました!!!

でもいないんですよ。
ドゥーラワークショップを経た私の3人目の出産の時は、セルフドゥーラ状態でした。うそです。無理です。でも知識と経験があるっていいですよ(遠い目)。おいおい2人目3人目の出産レポートも書きますのでぜひ読んでください。一緒にドゥーラワークショップを受けた友人が「行きたい」と言ってくれたけど、我々には東京-大阪間の距離があり、いつ始まるかわからないお産のために仕事がある彼女を拘束できず、お互い泣く泣く諦めました。

現時点ではこのワークショップを開催してくれたドゥーラシップジャパンの仲間のツテでやるよという人を探すという提案ができます(もし希望があればプリパレ経由でもいいのでご連絡ください。声をかけてみます)。ドゥーラシップジャパンの創設メンバーの中には海外でトレーニングを受けて認定資格を持っている方もいます。日本における現代版ドゥーラはまだまだ創成期。昔は元々あった役割を取り戻すのに創成期。

私も今後日本にドゥーラを広めるためいずれなんとかしてトレーニングを受けるつもりです。資格がないとできないことではないので、もし今の私でもよければ名古屋近郊なら駆けつけられるかもしれません。勇気出して声かけてください。そのちょっとめんどくさいとか恥ずかしいよりも、充実したお産になる可能性にかけませんか?

今の自分でもできることとしてこんな活動をしています。私がドゥーラとしてお産に立ち会う代わりに、私の学んだノウハウをパートナーであるパパに熱く伝授する講座です。

広まれ!バースドゥーラ。

参考文献、HP : ドゥーラシップジャパン https://www.doulashipjapan.com/

DONA International    https://www.dona.org/

Buckley, Sarah, J. Hormonal Physiology of Childbearing: Evidence and Implications for Woman,Babies and Maternity Care. Washington D.C., Childbirth Connection Programs, National Partnership for Woman and Families January 2015

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