私はあなたを抱きしめ続ける
夢を見た
幼少期に、自分が愛用していた布団で眠る夢
私はバックパックひとつでふらりと一人身
その布団のある部屋に横たわると、夢の中なのにまぶたが重く眠さに抗えない
そのまま永遠の眠りにつきたかった
長子の私には、物心ついた時から親の隣で眠った記憶がない
体調不良の時も、怖い夢を見た時も、隣に親は居なかったし、求めても無駄だった
下の子が小学校に上がっても親と一緒に寝たがったのを
「◯歳にもなって」と非難したりした
小学校いっぱいくらいまで、私達は二段ベッドの同じ段で眠れば良かったのだ
寂しさと不条理さと「男らしさ」と言う不合理なジェンダーを押しつけてしまった。まだ弟も小さかったのに。
妹は同様に指しゃぶりが小学校高学年にもなって治らなかった。
眠る場所を求めて家出をしたりした。
あんなに可愛くて無垢だった小さな妹や弟に私が「自立せよ」としつけと称して苛々をぶつけ傷つけてしまった。
写真を眺めていると、あの頃の小さな妹や弟を今になって抱きしめたくて仕方ない。
大家族の賑やかさは、全員へのケアの行き渡らなさと長子へのネグレクトへと繋がる
だから私は大家族ものを見世物にするテレビ番組を軽蔑してしまう。
終わった実家の事を今さら愚痴ぐちと言う訳ではなく(産めよ増やせよの時代や、ベビーブームの世代なんてもっと酷かったんだろうしね)現在の話
出産前から数十冊の寝んトレの本を読んでいたら
どれも「生後3ヶ月頃からはベビーベッドで一人で眠れるよう訓練を始めましょう」とある
海外生活をする中で、現地の子育てを沢山見て、2-3歳の子が自主的に一人で眠るのを実際に見たけど
自分の子に、一人で眠らせるトレーニングはまだとても出来そうにない
インナーチャイルドの小さな頃の私が
「泣いても抱きしめてくれないの?」
と虚な目で問いかける
私はあなたを抱きしめ続ける。あなたが気恥ずかしくなって「やめて」と言える年頃になるまで、小学校に上がっても、中学生になっても、一日何度でも抱きしめ続ける