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ニコチン酸が少し上がり始めてる?

畜産で使用しているナイアシン(ニコチン酸)
が少しずつ値上げされてきているらしい。

日本ではビタミンB3として1960年代までニコチン酸やニコチン酸アミド、ナイアシンを表現していたらしく、現在でもめちゃめちゃ混在している。

しかも、別段統一しているということもないらしく、
ニコチン酸・ニコチン酸アミド・ナイアシンのどれも通用するし、
なんなら、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)という成分すらあり、わからないとしか言いようがない。

ナイアシンアミドという言葉すらあり、正直めんどくさいとしか言えない。


個人的な感覚だが、
人間:ナイアシン・ナイアシンアミド
畜産:ニコチン酸・ニコチン酸アミド
と表現されることが多いように思う。

この記事では以降、ニコチン酸と記載する。


これまで、ニコチン酸は価格の上下あれど、
ある程度価格が抑えられてきた。
ニコチン酸を合成する原料が、別の製品の副産物だったから。

では、メインで製造していたものは何かというと、
除草剤らしい。

日本でも使われているパラコート系除草剤を製造する際に出る副産物を使って、ニコチン酸を作っていたが、パラコート系除草剤が世界各地で禁止されてきているからで、先行して禁止したのはヨーロッパらしい。

Paraquat is a herbicide that is banned in Europe since 2007. However, it is still produced in large quantities in UK and EU factories and exported all over the world.

ーーGoogle翻訳ーー
パラコートは 2007 年にヨーロッパで禁止された除草剤です。しかし、依然として英国と EU の工場で大量に生産され、世界中に輸出されています。

Why is FAO so complacent with Syngenta’s killer herbicide Paraquat ?
https://www.pan-europe.info/blog/why-fao-so-complacent-syngenta%E2%80%99s-killer-herbicide-paraquat#:~:text=Paraquat%20is%20a%20herbicide%20that,exported%20all%20over%20the%20world.


ヨーロッパで使用を禁止されたからといって、使われていないわけではなく、日本でも使おうと思えば使える除草剤ではある。


各地で禁止されている理由は、毒性


日本ではパラコート系除草剤を使っての未解決毒殺事件が発生しており、
「パラコート連続毒殺事件」
なんて言われているらしい。



強い毒性があることから、パラコート系除草剤の使用の禁止だけではなく、
輸入された食品からパラコート系除草剤の成分が検出されたものの輸入禁止をする国もある。


そんな事情もあって、パラコート系除草剤の原材料である「ピリジン」の製造量自体が世界全体で減ってきている。

2000年には約10万トンの生産だったようだが、2020年には約6万トンに減少してるらしいので、もちろん副産物も減る。
(4割も減れば副産物もずいぶん減るよね)
副産物で作っているニコチン酸も減る。
ということなのだ。


除草剤を作る時の副産物を使わないで、ニコチン酸を作る方法はある。
人間が体内でニコチン酸を作る方法と同じく、トリプトファンからニコチン酸を作る方法もある。
(方法は今回の本題ではないので、記載しないが)

だからこそ、ニコチン酸の製造がなくなることもないし、
人間でも必要なものなので、なくなることはないが、
副産物で製造していた分のニコチン酸が減るので、
製造量が単純に減るので、需要と供給のバランスからニコチン酸から少し上がり始めているということらしい。


私は混ぜ屋に入ってからビタミンなどの栄養に興味を持つようになったので、化学物質に興味を持ったのも最近ではあるが、今回も非常に勉強になった。

興味を持って、何かについて調べて発信する事が身になるので、
これからも辞めずに続けていきたい。

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