よさこいの個人賞メダルを自作した話
2015年の夏の話です。
一度かんしゃらに区切りをつけようと、解散の年の高知のよさこい祭りの話。
解散の二つ文字に惹かれていただいたのか予想を遥かに超える人数とスピードで参加者が集まりました。
いろいろやり繰りして結局予算が余りました。
返金?打ち上げタダ?考えたんですがやっぱり面白いことがしたい。みんなが喜んでくれることをしたい。
そうして、かんしゃらメダルが出来上がったのです。
・メダル作りの背景
高知のよさこい祭りでは会場ごとに個人賞メダルをいただけます。
金属のメダルや木製のメダル、そして華メダル。
会場ごとに個性のあるメダルが踊り子のモチベーションのひとつになっています。
しかし、必ずしも全員が貰えるわけではありません。
1会場につき5〜7人くらいでしょうか。
すると15会場回ったとしても、100人くらい。
目を引くような踊りをする子だったりすると1人で数個貰うこともあるのですが、中には残念ながら1人も貰えない子もいます。
かんしゃらにもそういう子がいて、中には2年連続で貰えなくて、悔し泣きをしている人もいました。
そんな背景から、どうしたら全員に行き渡るか?→全員分作ってしまえばいけるじゃん。という思考になり、実行に移りました。
・ストーリーのある祭りにしたい
かんしゃらの作品にはストーリーという概念がありません。私の趣向に合わないので、抽象的なイメージのみで作品を作っています。
ですが、普段の活動にはストーリーがあった方が良いなと考えています。
この年の作品は"此の道"という作品、
曲は最後「此の道の果て、花は咲いているのかな」という問いかけの歌詞で終わります。
結果は自分達で作り上げろという作詞家の粋な計らいだと思っています。
そのため、私は地方車に花のデザインを入れることにしました。
その理由としては
高知では踊り子は地方車について各会場を踊っていく。
そのゴール(=道の果て)は最後の会場の踊り抜けの時。
その時に踊り子はようやく地方車に追いついて、地方車を見上げた時、そこに花が咲いていればば良いな。
という考えからです。
そして、その光景をいつまでも覚えてて欲しいな。
と思い、メダルのデザインにも同じ花を入れました。
彼岸花の花言葉、不吉なものが連想されますが、「情熱」そして「また会う日を楽しみに」というものもあります。
そして、最後の会場のゴール、総勢20名ほどのスタッフに協力をお願いし、手早く全て踊り子にお渡しさせていただきました。
みんなの、「え?何これ?」という戸惑いの顔から、かんしゃらのメダルと気づいた後の喜びの表情に移る瞬間はとても良い思い出ですね。嬉し涙を流してくれる子もいて、企画者冥利に付きました。
余談ですが、
何名かの踊り子は、「最初うちの代表、最後やからって会場の余ったメダルを全部掻っ払ってきたと思った!」となったらしく、それを言われて私はずっこけそうになりました。
そして、2年間個人賞メダルが貰えてなかった友人は最初の会場でメダルをゲットしてて、大号泣。
周りのメンバーから手厚い祝福を受けて、ほんと幸せモード。
私は内心とてもクソって思っていました。
1番彼を泣かせてやろうと思ってたのにね(笑)
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