鳴子の音がまた能登の地で鳴る日を願って。
きっかけは些細なことだった。
7月に子供が産まれることもあり、自宅の押入れを片付けている時に見つけた懐かしいもの。それは私が以前、代表を務めていたよさこいチーム"かんしゃら"の鳴子だった。
気軽な気持ちで「欲しい方いますか?」とSNSで投稿したところ、反響が大きかった。チームが活動を終えて1年近く経過しているが、今も想ってくれている方が多くいらっしゃることがとてもありがたい。
鳴子が5本しかないところに数十名が手をあげてくださり、全員の手元に行き渡らせたくなった。久しぶりに鳴子工房に連絡を入れたところ快く製作いただけることに。
そこでひとつ頭に浮かんだのは能登のことだった。
というのもかんしゃらが最後に参加したイベントが『能登よさこい祭り』、毎年6月に和倉温泉で開催されている北陸でも大きなよさこい祭りのひとつだ。地元北陸のチームの他、大阪や東京など県外からもよさこいチームが参加している。
そんな能登よさこい祭りも令和6年になった直後に発生した能登半島地震の影響もあり、6月の通常開催は見送られている。
「何か能登のチカラになれれば」
ずっと考えていた、その何かを考えられる機会になると思った。
そうして鳴子を押し入れで見つけてから2日後に企画をスタートさせた。
自身としては40名くらいが買ってくださるかなと考えていたが、その考えは逆の意味で甘かった。ありがたいことに105名のお申し込み、総本数208本の製作。もしかしたら過去一番の発注数だったかも知れない。
製作いただいたのはずっとお世話になっていたやまもも工房さん。8月のよさこい祭りに向けた超繁忙期なのに、大量製作をしていただきました。
本当にありがとうございます。
そして2ヶ月後、ヒノキの良い香りがする大きな段ボール箱が配達されてきました。
今回の鳴子の販売価格は1,600円×購入本数+送料(400円)とさせていただいた。例えば2本買ってくださった方は3,600円。
そこに「追加で募金されたいという方がいたら、購入金額に上乗せしてお支払いいただければ一緒に募金しておきます」と一言添えて購入者にメールで連絡させていただいた。
おそらく購入いただいた方の多くがよさこい関係者なのでしょう。
何名かの方が4,351円を振り込んでいただき、少し嬉しくなった。
そうして集まった購入金額から製作費や送料、梱包費などを差し引くと15万円ほどが手元に残った。
そこで私も一よさこい人として少し足させてもらい、15万4,351円を『令和6年能登半島地震災害義援金』として募金したことをここで報告いたします。
改めて購入いただいた皆様、ありがとうございました。
おかげさまで一個人では中々難しい金額を募金することができました。
またいつか、能登の地に鳴子の音が鳴る日が来ることを願って。