管理系SaaSサービス4社のSEOチェック
これから"来る"という記事をTwitterで見かけて興味深く読ませていただきました。そして読んだだけだけともったいない気がしてしまったのでAhrefsでSEO調査、あとGoogle的なパフォーマンスに関する数値も調べてみました。
1.なぜSEO能力調べたいのか
簡単に言うと趣味…BtoB領域に属するSaaSはWebネイティブなサービスにもかかわらずいわゆるSEO、特にコンテンツマーケティング的なところから距離を置いていることが多い印象だ。一説によればコンテンツマーケティング施策によって得られるリードはホットさが足らず、人員的に潤沢でないSaaS事業者にとっては後回しになりやすいらしい。
一方、スケールするさいにはテレビCMやタクシーCMなどを展開することが多く、かつ効果も良いと聞く。その場合刈り取りを行うのに実働のセールス部隊やリスティングだけではCACが高止まりすることもあるのではないか?と感じている。
なかなか答えが出ていない点もあるだろう、そこでたとえばある時期に伸び始めた、あるいはシードラウンドを回ったSaaSサービスを定点でSEO的な観測を行うのはとても興味深い試みかと思い立つ。最終的にヒットしているSaaS事業者でコンテンツマーケティング、SEOに手を出していないところはそれはそれで無いはずで、いつ頃それをやりだすのかがわかるかもしれない。
2.調べる管理系SaaS
前述の記事で紹介されていたSaaSを調査しました。
3.Ahrefs調査結果
引っ張りすぎな気もしますので調査結果のうち一部を抜粋します。左から項番、対象URL、ドメインランク、被リンク数、流入キーワード数、そして流入数/月だ。
ぱっと見でHRMOSさんが圧倒的であることがわかる。この被リンク数とそれに伴うドメインランクはtoCだとしてもなかなかな規模ではないだろうか。一方もっとも最小値なのはLoglassさん。2020年4月にクローズドリリースなのでそれはそうだろうという感じだが、これが今後の事業的伸びと合わせてどのタイミングで伸びていくのか、そこに注目していきたい。
4.流入キーワードの掘り下げ
コンテンツマーケティングの実施がある本サイトの流入キーワードのうち流入上位キーワード10個は以下のようになっていた。それぞれ爆発的な数字ではないが、その代わり「間接部門 多すぎ」などを検索するユーザーはよほどのニーズがあるペルソナである可能性は高いと言えるだろう。
現時点でのオーガニック検索流入は無がい、唯一検知されているキーワードはなぜか「インテリジェンス 社員数」であった。
ブランド名単体での流入がしっかりとあり、認知及び既存ユーザがあるということを示す。コンテンツマーケティングメディアは無いが、ユーザーサポートフォーラムが検索インデックスを受け入れており流入の大部分を占めていた。ブランド名以外いささかターゲットそのものではない可能性も高いと想定できるが実態はいかがなものか。ただテレビ会議需要により実際はこのあたりのマイクやヘッドセット関連でのクエリは伸びているかもしれず、結果サービスの存在を知らせるのには機能している可能性もある。
さて圧倒的な被リンク、キーワード数、流入数であるHRMOSは以下の通り。HRMOSドメインは実際は各サービス導入企業のドメイン配下にHRMOSの提供ページが連携される仕組みのようだ。よって導入企業名での流入がHRMOSドメインに流入しておりこれがあの圧倒的な被リンクの理由のようだ。
そもそもSaaSアプリケーションとしては実際には別のディレクトリが区切られていた。
この該当ディレクトリ配下だけでみると被リンク数は602、オーガニックキーワードは58、オーガニックトラフィックは216という数字だった。見た感じでいくと独自のキーワード戦略があるというよりはやはり既存のサービス提供事業者へのアップセルなどを基本戦略としているのだろうか。
5.Goolge的パフォーマンスチェック
Googleから提供されるweb.devによるパフォーマンスチェックをしました。以下に示されるPerformanceは描画スピード、表示までのラグなどを示しているようだ。Accessibilityはコンテンツへのアクセスに問題がないかを、Best PracticesはHttpsや画像の比率などについて最適な設定がされているか、SEOはそのままの通りだ。
ここで減点されいてるBest Practicesの項目は、脆弱性が知られているフロントエンドJavaScriptライブラリを使用していることや、target="_blank"属性を使用して別のサイトのページにリンクすると、サイトをパフォーマンスとセキュリティの問題にさらしている点をもとに減点している。
ここで減点されているAccessibilityの項目は背景色と前景色のコントラストが十分でないことや<html>要素に[lang]属性が無いためにスクリーンリーダーに対して適切な言語設定を渡せない点についてなどだ。
ここで減点されているSEO項目、具体的にあはmeta descriptionが設定されていないページ、altが正しく設定されていない画像などがあることにより減点されている。
最後にPerformanceでの減点項目は、サイズの大きすぎる画像があること、未使用なCSSがること、未使用なJavaScriptがあるなどによる要はギガ的にもったいない項目について指摘している。
6.まとめ
今回SEO的に調べてみたSaaSサービスは管理系というくくりで紹介されていたが目的が同一ではないため横軸で比較という形ではなかったが、いまどきのSaaSサービスサイトのもつ性能が垣間見れた。リーナーこそコンテンツマーケティングを意図しているであろう記事が用意されていたがその他のサービスではやはりコンテンツマーケティング、SEO、といった文脈での戦いには参加していないようだった。果たしてそれぞれ類似したSaaSが出てきたり、スケールをするタイミングに応じてどう変化していくのか、またしばらく時間がたったのち、調べてみよう。
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