vol.1 学びは遊び、遊びは学び
[NOSAIぐんま 2004 EARLY SUMMER vol.(6・7月号) 掲載]
この春(2004年4月)から社会人大学院に入学いたしました。教育ファシリテーション専攻という日本初のコースで、体験学習の研究を始めたのです。友人たちから「その歳になって、まだ勉強するの?」とひやかされ、ちょっと考えてしまいます。
私は何故、この歳になって勉強を続けているのだろう?
そして、入学から約1ヶ月が過ぎた頃、ふと、学ぶことを楽しんでいる自分を発見しました。
新しい知識に触れた時、先人の不可思議なことばが理解できた時、思いもよらぬ気づきがあった時、気づきの喜びを教官や同級生と熱いことばで分かち合う時、私は自分の瞳が少女漫画のヒロインのように、きらきらと輝いていることを実感します。私は自らの探究心が満たされた時に、心から喜べる人間であると知りました。
先日は「種子の授業」として知られる体験学習に参加しました。枝豆をじかに触って、これが種皮、これが子葉・・・と確認し、クレヨンで枝豆の絵を画いて、枝豆と十分に交流した後、黒い布をかぶって種子になり、植物へと成長するというファンタジーを体験いたしました。
ビールのつまみとして、普段はなんの気なしに口に運んでいる枝豆の命を感じました。とても神聖で、新鮮な気づきでした。
「勉強」ということばには、よい学校に入り、よい会社や組織に就職するための手段という響きがありますが、「学び」ということばには人が生きていくための智恵、人が成長するための糧という響きが伴います。
私は生きるため、成長するための「学び」を大切にしたいと思います。そして、子供にも大人にもそれぞれの「学び」を得るための「学び方」を伝えていきたいと願っています。
「学び」は「遊び」であり、「遊び」の中にも「学び」があります。今年(2004年)の連載では、学びながら遊ぶ、遊びながら学ぶコツを紹介していきます。なりたい自分になるために、学びの森の散歩を始めましょう。