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防災のための「生前整理」。お客様の人生を豊かに、担当者2人の想い

こんにちは!愛知県瀬戸市に本社を置く大橋運輸です。

私たちの企業理念は「仕事を通じてお客様や地域に貢献する」。運輸業という枠にとどまらず、地域や社会の課題に目を向け、さまざまな取り組みを行なっています。 

弊社の事業のひとつである「生前整理」は、元気なうちに自分の財産や持ち物を整理したいというお客様を対象にした個人向けサービスです。住まいを片付けながら、預貯金、家具、貴重品などを整理し、不要と判断したモノは処分するお手伝いをしています。

生前整理は、「終活」のイメージで捉える方もいるかもしれません。しかし、当社の場合、特にここ数年で自然災害が多いことから「防災」の観点を特に大切にしながら事業展開をしてきました。

9月1日は防災の日。1923年のこの日に起きた関東大震災を忘れないよう、9月は防災月間と制定され、全国各地でさまざまな啓蒙やイベントが開かれます。大橋運輸でも、このシーズンに合わせ、生前整理事業の一環で「防災準備応援キャンペーン」を実施しています。

このキャンペーンは、防災対策として地域の方々に「家を片付けてもらうきっかけをつくりたい」という想いから生まれたもの。タンスなどの大きな家具は、高齢になればなるほどゴミ捨て場までなかなか運べなくなるという課題があります。行政では手が届かない部分を、地域に根差す運輸企業として何か貢献できないか、ということから始まりました。

今回は、「遺品整理・生前整理」事業を担当するグループリーダーの川本拓実と、チーム採用のリーダーである永田幸治に、生前整理の意義や仕事で印象に残っていることなどを聞きました。

亡くなる前の準備でなく、人生を豊かにするもの

生前整理は、弊社が展開してきた「遺品整理」から生まれた事業です。遺されたご家族様に代わり、遺品を整理する中で気がかりだったのが、荷物や私物が溢れかえっているお部屋が多いことでした。もちろん、どの方もお亡くなりになる直前に荷物が増えた訳ではありません。高齢となり、体力や筋力がなくなっていくと、徐々に部屋を片づけるのが難しくなる現状があるようです。この課題を解決するために、元気なうちにお部屋の整理をサポートし、より豊かな暮らしをご提供しようと始めたのが生前整理のサービスでした。

生前整理という名称のせいか、事業を立ち上げた当初は「死ぬ前の準備」と、ネガティブに受け止めるお客様も少なくありませんでした。しかし、日本は地震や津波、台風、大雨などが発生しやすい世界有数の災害大国。特に近年は、異常気象や地震が日常生活の中でも多く起こっています。万が一の災害が起こったとき、室内に荷物が溢れていると、逃げ場や備蓄をするスペースがないうえに、転倒や倒壊による事故やケガの確率も高くなります。

つまり、家の中のモノを減らし整理することは、命を守る行為にもつながるのです。そこで弊社では、生前整理に「防災」の視点を交え、災害時の備えを呼びかけるようになりました。ここ5年ぐらいで、少しずつお客様の意識も変わりつつあると感じています。

啓蒙の一環として、防災月間に合わせて実施する「防災準備応援キャンペーン」では、瀬戸市と尾張旭市の市民を対象に、不要になったタンスや大型家具を格安で処分しています。

朝日新聞によると、1995年の阪神・淡路大震災では、建物や家具の下敷きで亡くなった方が全体の被害者の約80%だったとのデータが出ています。タンスの前に布団を敷いて眠っている方は、震災などが起きたときタンスが倒れて来る可能性が高くなっており、事故のリスクが高まっているといえます。
また、日常生活の中でも、高齢者の事故の約7割が家の中で起きているとのこと。大型家具や溢れかえった荷物をスッキリ整理すると、家の中にゆとりが生まれ、動線と安全な空間を確保できるのです。このキャンペーンが始まった背景について、二人はこう語ります。

川本「あるとき、集積所に運ばれる大型家具の数量が減ったという行政データを見ました。その理由を調べてみると、高齢化が進んで、大きな家具を運べなくなった人が増えていたんです。このことが防災準備キャンペーン立ち上げのきっかけにつながりました。
大きな家具に囲まれて何十年も生活していると、危険だと認識している人が非常に少ないと感じます。ケガや転倒をされる前に、生前整理を利用してもらえると嬉しいです。生前整理は亡くなる前の準備でなく、今後の人生を豊かにしていくためのものなんですよ」

永田「スタッフの中には、防災士の資格を持つ者もいます。タンスを一竿回収するときでも、資格を持つ担当者がご自宅の防災診断を無料で行い、改善が必要な箇所をアドバイスしているんです。『ここにモノを置くと危ないですよ』『こんなレイアウトにするとお部屋の使い方が変わりますよ』と伝えると、お客様から喜んでいただけるのが嬉しく思います」

「変わること」を躊躇せず、ポジティブに受け入れる

川本は現在25歳、今年で入社9年目となります。16歳の頃に、引越し作業のアルバイトで大橋運輸に入り、半年後には正社員に。その後、作業責任者、チームリーダー、現場のリーダーなどを経て、22歳から部署全体を率いるグループリーダーとなりました。そんな頼れる存在の川本に、入社当初から現在までの仕事の向き合い方について語ってもらいました。

川本「アルバイトを始めた当時は16歳で若く、将来についてもあまり深く考えていなかったけれど、身体を動かす仕事は好きだと思い、大橋運輸で働くことを決めました。社長の鍋嶋には、入社当初から『人は変わっていける』『社会人になってからでも勉強するのは遅くない』と声をかけられる機会が多く、その言葉に共感したのも入社の決め手です。

大橋運輸は変わることを前向きに捉え、実践している企業です。私自身は、勉強も得意ではないし、誇れることはそれまでの人生であまりなかったけれど、『変わっていい』という指針を得たことで、私でも何か役に立てるのかもしれないと思えるように。人一倍勉強して国家資格を一発合格するなど、苦手なことから目を背けず、少しずつチャレンジを積み重ねていきました。今は多少なりとも変われたのではないかと思います」

変わることをポジティブに考え続けてきた川本が、これまでに最も印象深かったエピソードとして語ってくれたのは、現場でお客様の気持ちが変化した心温まる体験談でした。

川本「生前整理は、生活しながらの整理なので複数回で作業に入るケースが多いんです。プロとはいっても、部外者の私たちが自宅で片づけていくので、最初は警戒されることも少なくありません。しかし、お客様も整理をしていく過程を一緒に見ているので、室内がスッキリと片付くほどに、前向きな気持ちに変わり笑顔が増えていくのがよくわかります。

80代のあるお客様からは、今は大人に成長しているお孫さんの布団を残して欲しいと頼まれました。私たちとしては、お孫さんのことも大切にしてほしいけれど、何よりお客様が今の生活を楽しみ、安全に暮らせるスペースにしてもらいたい気持ちが強かった。そこで、片づけることを提案し、快諾いただきました。計6回の生前整理を終えた後、その方から『整理をしてもらったおかげで、モノを置いてあった場所にスペースができたから、絵を描く趣味を始めた』と感謝のお電話と自筆の絵を一枚もらったんです。

モノがあふれていたから新しい発想がなかっただけで、片づけで気持ちも整理され、新しい趣味を始めることにつながったのは嬉しくて。今は事務所にその絵を飾っています」

永田はチーム採用(障がい者雇用)で入社し、今年で6年目。生前整理・遺品整理の部署に就き、入社2年目からはチーム採用のリーダーも担当しています。

永田「私は21歳の頃に、知人に勧められて大橋運輸に転職しました。面接と2回の職場体験をした後で入社を決断しました。運輸会社は上下関係が厳しいというイメージがありましたが、体験の現場ではチームワークが良くて親しみやすく、働きやすい環境だと感じたんです。私は人見知りで人とは打ち解けにくいのですが、職場の皆さんのほうから気軽に話しかけてくれたおかげで、みんなと仲良くなることができました。

チーム採用のリーダーになってからは、仲間の悩みや困り事を聞く立場に変わりました。障がいの種類にも身体、精神、知的などさまざまあるのですが、その違いは世間的に理解されづらいです。言葉遣いや接し方の課題なども、社長と相談しながら社内に周知し、社員同士がうまくコミュニケーションをとれるように努めています。悩みを抱えていた仲間が『話しやすくなった』『働きやすくなった』と伝えてくれたときは嬉しかったですね」

永田も川本と同様に、変わることでキャリアアップを重ねています。入社3年目には、資格取得の支援を受け、トラックの準中型免許を取得し、仕事でも車を運転しています。障がいを持ちながらの合格は、この業界でもほとんど前例がないことではないでしょうか。

「地域になくてはならない会社」を目指して

今年で3年目を迎える防災準備キャンペーン。これまでに100人以上の方が利用してくださり、「家具の移動までしてもらい助かった」「またお願いしたい」といった声をいただいています。サービスの丁寧さに感動いただき終了後に会社へ直接電話をしてくださった方、このキャンペーンをきっかけに生前整理を利用してくださるお客様もいたそうです。

最後は、「生前整理・遺品整理」の第一線で活躍している二人に、今後チャレンジしたいことや、あらためてこのキャンペーンの意義について聞いてみました。

永田「私が次に挑戦したいのは、責任者として現場に携わることです。全体を俯瞰して的確に指示する力がまだ足りないので、マネジメント能力を身につけられるよう頑張ります。

ありがたいことに、キャンペーンでお客様のご自宅に入らせていただき、タンスの回収と防災診断を終えた後、『こんなに気持ちよく整理をしてもらえるなら、生前整理もお願いしたい』という依頼も増えてきました。生前整理は人生を振り返るような大がかりなイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、防災の見直しにこの機会を利用してもらいたいです」 

川本「大橋運輸が拠点を置く瀬戸市は、愛知県の10万人を超える都市の中で高齢化率が最も高い地域です。災害や自宅での事故など、何かが起きてからでは遅いので、高齢の方々に対してより丁寧に発信し、危険性を理解していただくのが今後の課題だと思っています。

また、運輸会社である弊社は『かたちがないもの』を提供しているので、“働く人”が付加価値になると考えて、日々の事業や地域活動に取り組んでいます。このキャンペーンをきっかけに、ぜひ私たちの想いを一度体験してもらえたら幸いです。瀬戸市の皆さんに『この地域になくてはならない会社』と思っていただけるように努めていきます」 

大橋運輸では今回紹介した防災を見据えた生前整理を展開するほか、公的機関と連携して地域の皆さんの「健康寿命を延ばす」という活動などにも力を入れています。

これからも地域課題の解決に向けて、「より豊かな人生にしていく」ためのアプローチを続け、暮らしの安全を守り、人々の笑顔を増やしていけるよう取り組みを続けてまいります。

今後も社長や社員へのインタビューを通して、会社の歴史や各取り組みの詳細について紹介していきます。弊社で働くことに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページをご覧になってください。

また、ビジョンに共感して下さった方で、公開されている求人にはマッチしないものの「挑戦したいことがある」「自分の経験やスキルを活かせるか確認したい」という方向けに、オープンポジションも用意しました。

オンラインでのカジュアル面談を想定しておりますので、ご関心のある方は下記のページからぜひご応募いただけたらと思います!


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