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大学時代、地下の図書館で偶然出会った本がある。 『豆腐百珍』。 江戸時代の豆腐料理が百も…
終わらぬ仕事を前に、妄想がとまらない。 たとえば、いま手に持っている一口サイズのチョコレ…
我が衣手に 雪はふりつつ 「21世紀にもなると、スーパーで調達するんだけどね」 プラスチック…
春はパスタ。 未だ肌寒き日に、カルボナーラ。 春たけなわ、オイルベースの、桜海老と甘藍を和…
ラーメン。それは、甘美なる響き。 底冷えする冬の日に、無性に啜りたくなる。 スープは清流の…
私の救世主は、チョコレートとビールだ。 ストレスが極限に達すると、味がわからなくなる。 …
かつて共に暮らした彼は家事を一切しない男だった。 たちの悪いことに、文句だけは一流だった。 「俺、味噌汁に薩摩芋は嫌なんだよね」 「みかんって皮むくの面倒だから好きじゃない」 「文句があるなら、自分でやれ!」と喉元まで出かかること数知れず。 結局、ただの一度も言えずじまいだったけれど。 そんな彼が、唯一担当していた家事がある。 それは、冷凍ギョーザを焼くこと。 そして憎らしいことに、私よりずっとずっと上手だった。 横で彼の焼き方を見る限り、たぶんタネも仕掛けもない。
「どこか遠くに行きたいの」 彼女は、ため息とともに吐き出した。 電柱に凭れて空を仰ぐが、そ…
旅の醍醐味のひとつは、当地の食だ。 とはいえ、基本的に僕は出不精である。 だから僕の旅と…