ラーメン&ディスティニー
ラーメン。それは、甘美なる響き。
底冷えする冬の日に、無性に啜りたくなる。
スープは清流のごとく澄んでいても、沼のごとく濁っていてもよし。
葱は青も白も捨てがたい。両方載せるのがよい。
糖質と脂、人類の本能に語りかける背徳の味。
風花が舞う中、ふらりと入った路地裏のラーメン屋。
地下に続く階段を降りていくと、そこは魔法の国だった。
味の濃さ:うす味・基本・こい味
こってり度:なし・あっさり・基本・こってり・超こってり
麺:バリカタ・かため・基本・やわめ・超やわ
……呪文か??
味の濃さとこってり度は何が違うのか。
味の濃さは文字通り味の問題で、汁の粘度は「こってり度」が決めるのか。
そして「なし」と「あっさり」はいったい何が違うのか。
そしていつも思う「麺のかたさ」問題。
麺のかたさの「基本」は人によって感覚が違う。
仮にその店の「基本」がかためだった場合、「バリカタ」はもはや茹でていない麺が出てくるのではないか。
御託を並べたところで、ラーメンは出てこない。
運命の選択。ファイナルアンサー?
「ええい、ままよ」と注文票を書いて提出する。
もはや何を書いたかすら覚えていない。
一期一会のラーメンが届くまで、きっとあと3分。
運命の一杯は、夢をいっぱいに湛えていることだろう。