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映画感想文『ラストマイル』

開いてくれてありがとうございます。

本日ついに公開されたラストマイル。
わたしはアンナチュラルが好きでこの映画も楽しみにしていました。
忘れない新鮮なうちに書き殴り残したいと思います。


ネタバレも含みますのでまだ見ていない方はご注意ください!
鑑賞後読んでくれたら嬉しいです!!




いや〜面白かった!
映画で約2時間にまとめなければいけないため話のスピード感は早いなと思ってしまうが、本当に最初から最後まで飽きずに面白かった。

映画が始まり最初に思ったのは、エキストラめっちゃ多いな…ということ。この撮影、すごい大規模だしまさしく映画、劇場版だなと感じ圧巻された。贅沢だ〜。

アンナチュラル、MIU404のメンバーたちが出てくるのは各々トータル10分程度かと思うが、とても大事なキーを握る演出をされていて憎いな〜!と感心した。素晴らしいよ本当に。

それから登場シーンは本当に胸熱という感じ。プリキュアとかライダー系の映画に似たものを感じた。あのワクワク感を大人になっても楽しめる映画なのだ。

わたしは涙腺がぶち壊れていてすぐ泣くのだが、今回の映画は思ったほど泣かなかった。
しかし唯一涙がちょっとだけ出たシーンがある。
そこの話をさせてほしい。

ラストマイルは流通業界のお話。
ショッピングサイト、運送会社、委託ドライバー、その仕事に関わるそれぞれの人たちにスポットライトが当たる。

委託ドライバーの中に、70代の父「佐野昭(火野正平)」と勤めていた会社が倒産して父のもと配達員見習いになった「佐野亘(宇野祥平)」がいる。
この親子が繰り広げる日常且つドラマが、本当に素晴らしかった。
すごく苦しい現実で、でもそこにある親子の愛が素晴らしかった。
なによりわたしは火野正平さんの演技にめちゃくちゃ感情移入をして思わず泣いてしまった。

映画の後半で息子が命の危機に晒される。
そのとき、父が息子を心配したのち、ある人に本気で怒鳴るシーンがある。
その怒鳴るシーンがあまりにも心に来た。

なんというリアルな演技、感情を爆発させる演技ができるんだと思って感情移入をして涙が出た。
わたしはあの映画の中であのシーンが一番素晴らしかったと思っている。

映画自体はなんだか含みを感じる作品だったなと思う。
ただ爆発を止められて人を救えてハッピーエンド、ではないと思う。

誰にでも起こり得ること、だけど誰も自分がそうなるとは思っていない。
みんな自分は悪くない、悪いのはあいつだと思っていたい。

最初、わたしは「このラストは意味があるんだろうけど何を言いたいんだ…」と噛み砕けなかった。
わたしの解釈としては、こうかなと思う。

ラストに解雇された舟渡さんが新しくセンター長となる梨本に「あんたの番が来たってこと(みたいなニュアンス)」と言っていた。
そうして、山崎のロッカーを開けてあの数字を見て、一瞬息が止まる梨本。
舟渡さんは一度精神的に辛い状況になっていた過去もあった。
次になるのは、あんただよと言っているんじゃ…と思った。

せっかくブラック企業から抜けて楽に生きていける職場に来たのに、同じことを繰り返してしまうのかもしれない。
センターのラインも、変わらず同じ速度で動いている。
世界の日常も、爆弾騒ぎがひと段落したら何ら変わらない日常に戻っている。

世界の混沌からは逃れ平和は保たれたように見えるけど、実はひと段落して日常に戻ってしまうことが怖いことであると言っているのではないか?と思うラストだったと思った。

ラインを止めようとした山崎や爆弾を仕掛けた犯人はあんなに強い思いで行動したのに、それが響くことなく時間が過ぎていく姿がそこにはあったから。
虚しい自己満足だと思った。ちょっと苦しかった。

エンドロールもアンナチュラル、MIU404のチームに分けて表示していくところが粋だなぁと感じた。

けれどひとつ、気をつけて欲しい。

わたしは食べ物を買っても映画が始まる前とエンディングでしか食べない。
今回もエンディングが始まって、残っていたポップコーンを食べちゃお!と思いバリバリ食べていたのだが、米津玄師のがらくたのラストがブツ切りで無音になるのだ。

思わずわたしもポップコーンを噛むのを止めた。
無音の中にポップコーンを貪る音が響いてしまうと恐怖した。正直一番怖かった。

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