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機械分野の話

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#音

音響解析の話3

音響解析の話3

前回までのお話です。
音響解析の話1
音響解析の話2

幾何音響理論幾何音響理論は音の波動性を無視して扱うもので、直接音と反射音の間の干渉や、回折などの波動現象は起こらないとし、光と同じように直進および幾何学的反射のみで音の伝搬を記述します。

この幾何音響理論の代表的な解析手法には音線法と虚像法があります。

【音線法】
音線と呼ばれる単位エネルギーの進行経路を用いてその反射履歴を追跡する計算手

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音響解析の話2

音響解析の話2

音響解析の話1の続きです。

音響解析の理論音響の支配方程式は「波動方程式」と「空気の体積弾性係数」から構成されます。

【波動方程式】
波動方程式は音波、水面の波紋、電磁波など様々な媒質の振動現象を記述する基本方程式で、主に流体力学、弾性体力学の分野に該当します。

【空気の体積弾性係数】
弾性とは、外力を加えると変形し外力を除くと元の形に戻る性質です。つまり体積弾性係数とは物質の圧縮性を表す量

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音響解析の話1

音響解析の話1

音響解析の目的は「騒音低減」と「快音設計」です。

例えば、設計時に予期していなかった騒音が発生したとき、その製品はエネルギーの一部を無駄に音の発生で消費しており、本来の性能を100%発揮していないことになります。またその騒音からその製品の品質に対するイメージも損ねます。

一方、オーディオ機器のようにユーザーの嗜好に合わせて心地良い音を届ける快音設計もあります。

音響解析の例【ノイズ低減のマイ

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