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就活中の嫌な思い出

大学4年生、就活をしていた時期はとてもナイーブだった。
もちろん就活は一筋縄ではいかないので、たくさんの企業を受けに行っては落とされを繰り返し、自信喪失をしている時期があった。

そんな時に、しばらく経った今でも覚えている嫌な出来事がある。


面接を受けに都会に出て、方向音痴の私は予定の時間よりも幾分と早く駅に着いていた。

リクルートスーツに髪は一つ結び。誰が見ても就活生ということは一目瞭然な格好で、緊張しながらも会社に向かっていた。

その時男の人に話しかけられた。
「ニトリとかってこの辺にありますかね?」

面接に備え集中していた私は、いきなり話しかけられたことに驚きながらも、必死に頭をフル回転させてニトリがこの近くのどこかにあったことを思い出した。

その時いた場所は、あまりにも都会で、方向音痴な私は今自分の場所からどう行けばニトリに着くかの説明は到底できない。

でもこの人は困っているし何とか助けないと、という気持ちの一心でスマホのマップを片手に検索していた。


「ここのエレベーターを上がって左に行くと○○ビルがあって・・・」と、こちらも急いでいるので必死に説明をしていた。

だがどうも話をちゃんと聞いていない。
こっちをずっと見てるし、なんだか気味が悪い。

そしてこの一言
「可愛いなと思って声かけたんだけど、今からお茶しない?てかLINE教えてくれない?」


よく考えればおかしかった。
ニトリがあるかどうかを知りたきゃまずそのスマホで調べるだろう。
普通であれば、調べた結果どっちの方向に行けば良いか分からない、という聞き方になるはずだ。

私は本当に悔しかった。
分からないなりに尽くそうとした善意は無碍にされ、面接前という緊張感と集中を打ち砕かれた。

その後も頭の片隅には、余計なものが少し残っていながらの面接となった。


大袈裟な話だと思うだろうか。

確かに大袈裟かもしれない。
ナンパされたんだから喜ぶべきでしょ、と言う人も中にはいるかもしれない。(実際に言われたことが何度もある)

私にとって知らない男の人に話しかけられる、ましてや性の対象として見られることは、とても大きなストレスと動揺を与えられることだ。

男性恐怖症という訳でもない私でこうなるなら、もっと男性が苦手な女性がいたら、動揺や軽いパニックも起こすことに値すると思う。



本当に心から一目惚れして話をかけるなんてロマンティックなが自分には無いことは分かっている。

相手は選んでいるんだろう。ワンチャンスありそうな人を。
そこに自分は該当したのかと思うと本当に気持ち悪いし、悔しい。こう思うくらいのプライドは持たせて欲しい。

ましてや、平日の昼間に街中にいる就活生なんて面接を控えているだろうことが安易に予想できる。
何でそんな人に今からお茶をしようなどと聞けるのだろうか。本当に気が知れない。

何らかの理由で就活生を邪魔したいという動機ならまだ分かるくらいだ。

そうでないなら面接に向かっているであろう就活生にナンパをするなんて本当にやめてほしい。



今年度の新卒の就活も、コロナの影響で大変なな状況らしい。

不安でいっぱいだと思う。

今回の件は女性の立場としての感じたことだが、逆も然りだ。就活中にナイーブになりがちなことは男女に変わりはない。

社会に踏み出す準備をしている若者を優しく見守るの大人でありたい。

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